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'12/6/26

県は新たなまちづくり案提示



 広島県は25日、山側トンネルを軸にした福山市鞆町の新たなまちづくり案を市に提示した。トンネル建設には住民の合意形成に加えて用地買収や家屋移転も必要なため、県は駐車場や港湾施設の整備などを先行させる方針だ。景観保護を目的にした基金も創設する。

 県は総事業費を90億円と想定する。トンネルは延長1・5キロで鞆港の背後の山を通す。トンネル単体の事業費は40億円で工期は5年程度を見込む。10軒前後の家屋移転が必要となる可能性があり、着工までには時間を要する。県は「将来課題」とも位置付ける。

 一方、トンネル以外の事業は着手を急ぐ考えで、駐車場整備を柱の一つに据える。花火大会や祭りなどの行事の度、駐車場不足が問題となっている。県は町北東部を埋め立てて250台分を確保。現在、約120台を収容できる市営駐車場も立体化させ、200台収容に増やす。

 町西側の平地区にも駐車場を新設し、防災拠点としても活用する。マリンレジャーの拠点となる「海の駅」も整備する。

 災害対策では、高潮などに備える海岸保全施設も港内に整備。江戸時代の港町の風情が残る景観に配慮し、高潮が予想される場合に防護壁が起き上がる方式も検討する。

 港内では、係留施設の不足が指摘されている。漁船など小型船の船だまりやフェリーの埠頭(ふとう)も造る。また、まちづくりを支援し歴史的な景観を守るため「まちづくり基金」を設け、全国に募金を呼び掛ける。

 県はこうした事業を組み合わせることで、住環境の改善や観光振興を進められると強調する。




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