- ▼感想とはなんぞや
- どうも、雪くじらです。今回はちょっととある方を懲らしめt……ゲフンゲフンっ。
えっと、7月の大賞に向けた『夜行バスの人々』の改稿は先日一旦区切りをつけましたが、その疲れで頭がぼーっとしています。執筆のスタミナは上がってるんですが、どうにも読み直しや改稿時のスタミナが不足しているようです。いや、元が駄目な作品だから余計に疲れると考えるべきでしょうかorz
そんな最中ですが、ここ数日ちょいとごたごたがあって、「感想」というものについて考えていました。
以前やっていたお仕事では、チェックした製品に対する感想をつけることも業務の一つでした。僕は現場のリーダーだったこともあって、新人さんの書いた感想文の手直しなんかもしてました。お客様に届けるものですからね、ノーチェックではいかんわけです。……え? でもそれが人の感想なんでしょ? 感想ならなんでもいいんじゃないの? って思う人もいるかと思います。いや、実はそうではないのです。いや、そうではないというか、つまり……そうではないのです/(^o^)\
そんなわけで、今回は感想というものに対する僕の考えを、つらつらと綴ってみたいと思います。感想書くの苦手だって人は参考にしてくれればっ。
▼なんでも感想です
「面白かった!」「つまんない」「使いにくい」「駄目だこりゃ/(^o^)\」はい、これ全部、感想です。でも、ただ「面白い!」ただ「つまらない」と言われた方は困ってしまいます。「どこが?どんな風に?」となるわけです。ですので、何故そう思ったか?の理由を添えること。
『感情+理由』、これが〝感想文〟の基本の型です。
ケースバイケースですが、理由がない、ただ感情だけが書かれたものは感想文とは言い難いんです。
・「面白かった!」以上、「つまらなかった!」以上。
⇒これだけだと〝つぶやき〟(独り言)の一種です。ポイントは『感想文は会話じゃない、ブログにつけるコメントじゃない』ということです。酷く言えば、感想ページの使い方が間違ってるレベルなんです。まぁ、「面白かった! 続き期待です!」はありだと思いますけどねw あ、なろう上の感想ページでの話です。
・「面白かった! 特にほにゃららの展開にはやられた!と思って、第○章から読み返しちゃいました!」
⇒面白かったという感情と、その理由が書かれていますね。これなら感想文として通用します。自分がその時どうしたのかまで書いてくれると、読んでる方も楽しくなります。「寝る予定だったのにそのまま次の章に進んじゃいましたw」とかね。
・「後編がつまらなかったです。○○の推理で犯人が暴かれましたが、途中のヒントがあまりも多すぎて、そしてわかりやすすぎて、正直、決め台詞の時には冷めてしまっていました」
⇒つまらなかった感想と、その理由が具体的に書かれています。特に箇所指定は親切です。熱心に読んでくれたという気持ちも伝わります。
最初の一言「つまらなかった」が余計に感じる人もいると思いますが、それは感想文を書く人次第です。大原則として、感想とは「個人の感想」を求めているわけです。作者が子供じゃなければ「その一言を最初におきたいくらい、つまらなかったのか」と解釈します。感想を受ける人は、自分に都合の良い形に脳内変換する能力も必要ですから。……ま、対お客様でなければ問題ないでしょうw
僕はここで作品を載せているので、感想を受ける側の立場として言わせてもらうと、それが否定の内容であっても、遠回しに書かかれるくらいなら、遠慮無しに書いてくれたほうが嬉しいです。ルール無視でいいなら、「つまらなかった」とだけ書かれていれば「どこが? 全部?」と聞き返します。それだけのことです。最も強く思ったことを最初に書いてほしいかな、と。
逆に、自分が感想をつける場合なんですが、それは次の項で。
▼相手にプラスになることを
上記では『感想+理由』を基本型としましたが、これにもう一つ加えます。『感想+理由+提案』です。この3点が満たされていると、感想文のクオリティが、より丁寧なものになります。
・「面白かった! 特にほにゃららの展開にはやられた!と思って、第○章から読み返しちゃいました! この時、第□章にでてきた△△さんが出てくると思っていたのですが、結局でてこなかったので、△△ファンとして残念。また活躍させてほしいです」
・「後編がつまらなかった。○○の推理で犯人が暴かれましたが、途中のヒントがあまりも多すぎて、犯人は中盤辺りでわかっちゃいました。正直、決め台詞の時には冷めてしまっていました。相棒の△△がエスパーすぎじゃないでしょうか。もう少し勘の良さと知力を落として、△△が苦労と努力の末にヒントを回収していくような展開だったら、もっと感情移入できたような気がします」
〝こうすればもっと面白く思えた〟、〝こうすれば楽しめた〟ってことが書き加えられてますね。感想文は相手に「なるほど」と思わせれば勝ちなんですw
これは伝え方を間違えると上から目線になっちゃうんですが、納得できる内容ならOKです。その内容が個人の好みレベルのものなのか、客観視点からのものなのかは問いません。ま、その旨を文章に添えておくとより伝わりやすくなるでしょう。上記の「△△ファンとして残念」ってのがその一例ですね。これなら個人の好みであることがわかります。
個人間レベルなら、この3点感想で十分です。またあの人に感想つけてほしいなって、作者から思われることもあるかもですよ。感想に自信がもてなくて、自分の思い違いかもしれない、というならその旨書けばいいんです。読み終わった後、他の人の感想を読んで改めたところがあるなら、そう書けばいい。感想を求めている人は、ようはその想いを全部知りたいんです!
▼作品の根本部分に対する否定的な感想
例えば、読んだ作品が丸ごとつまらなかった場合。登場人物にも魅力が感じられず、物語の筋書きも内容も、作品そのものが面白くなかった場合。
そういう場合、感想はつけないほうが無難です。これは覆せない。作者は求めてるかもしれませんが、書く方も嫌だと思いますし、作者が悲しむだけかもしれません。もしかしたら怒っちゃうクレイジーな人なのかもしれません。
お仕事の事情や、それまでの相手とのやりとりの流れもあって、どうしてもなにか言わなくちゃいけない場合ってあるわけです。
リアル仕事でも多々ありましたよ。自分の分はなんとかなるけど、新人さんが書いたやつとか、こりゃないわって内容の場合は感想文を捏造したり(ぉ
そんなわけで、この窮地の乗り切り方をお伝えします。
まずは下記例文を読んでみて下さい。
『本作は、あらゆる作品の駄目なところだけで構成したネタ小説だったのでしょうか? そういう意味では笑えましたが、とてもじゃないけど真剣に読む気にはなれませんでした。私個人の好むジャンルの作品ではなかったとはいえ、この作品を小説として面白いと思える人は多くないと思います。 物語の始まり。主人公は突然母親に魔王を倒しに行くことをお告げのように言われますが、主人公の心理描写が一切ありません。最初、こういう作品なのかと思いましたが、一つ目の街についた時にいきなり喋り始めますよね。なんか変です。 物語中盤、重い過去を抱えた僧侶が旅の仲間に加わりますが、最後まで勇者と一言も会話してませんよね。戦士とは会話してましたけど。旅の仲間に加わる動機も不十分です。というか、教会の再建はどうなったんですか? その疑問を抱えたまま先の章に進むことになりました。そして最後の最後で勇者の父が魔王だったことがわかりますが、いくらなんでも唐突すぎです。というか、父って死んだことになってたの?って思いました。 場面描写も乏しすぎです。洞窟に入った。森に入った。どんな所なんですか? 文章がちょっと淡白しすぎです。「○○は言った」が何度も繰り返されてます。そうしないと誰の台詞なのかわからない為だと思うんですが、そもそも物語の構成ミスをしているから、いまいちな文章を使わざるを得ないことになっていると考えることもできます。登場人物の設定については別にいいと思うんですが、これも描写不足です。戦士=幼い頃から鍛えていた、ということのようですが、なんで鍛えていたの?って読者は思うんです。毎度重要なことが隠されているような書き方だったので、最初はなにかの伏線かと思ったのですが、結局ぜんぶどうでもよかた設定ということに(ry』
つまり、120%つまらなくても、きちんと読んでいれば上記のように感想文として届けることができます。窮地乗り切り方、それは『それに対して詳しくなること』なんです。あとは文書作成能力。これも日記が書ける程度で十分です。
このように否定が多い感想の場合、どこか一つでも誉めておくっていう手もありますが、個人的にはやらないほうがいいです。自分に置き換えて考えてみて下さい。ちっとも嬉しくないと思います。それでも、どうしかにて肯定文をつける場合、その作品が秘めている潜在的な魅力を探して伝えましょう。
▼まとめ
また3つにわけます。3つが好きなんです。
・感想とは正直であるべき
嘘つかれても嬉しくない。伝えたいことだけを伝えればいいです。
・きちんと作品を知るべき
知ってないと感想が浮かびません。ちゃんと読みましょう。
・内容は可能な限り具体的に
感想は全部知りたいんですよ。
余談……僕個人としては、これはエゴのようなものなので決して押し付けではないんですが、全否定的だけで綴られた感想文はありだと考えます。
感想とはいつどこから襲い掛かってくるものなのか、わからないものです。読み手は予備知識無しなのかもしれません。それを自覚している場合もあるかもしれません。実はあまり読む気がなかったのかもしれません。もしかしたら最初から期待半分だったのかもしれません。
それでも、感想は感想です。いえ、言い方がおかしかった。えっと、その感想がどんなコンデイションの状態で書かれたものかなんて、わからないはずなんですよ。つまりですね、好意的な感想の時は気にしないくせに、否定された時だけ相手のコンディションを気にするってどうよ?って話。当然ですが、作者のコンディションに関しても、読者は知りません。気にする必要がないと言い換えてもいいでしょう。
だから作者という人は、いつなにを言われても、それを飲み込める心構えをもってなくちゃいけないと考えます。それができないなら感想を求めるなよ、と言いたい。社交辞令的な、本音を隠した言葉だけでなにが伝わるものか。もしそんな考えが当然として一般化すれば、文学の世界は間違いなく衰退するでしょう。
勿論これは、暇つぶし、趣味程度でやってる人には関係ない話ですがね┐(´∀`)┌
以上おわり。
というわけで、私はいつでもマジ感想お待ちしています!
目には目を。歯には歯を!(意味不
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2012年 06月25日 (月) 22時26分
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