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第三ステップへ

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第三ステップは第一ステップと似たような10m程の窪んだ岩場であって
雪がしっかり付いているので特に難しくは無いが、
何本も張られてあるフイックスロープ(固定ロープ)は絶対に信頼できない。
いたるところ岩や氷に擦り切れ、荷重がかかると絶対に切れる。
一巻の終わりとなる。

それでも気休めに握ってしまう、でも絶対に引っ張ってはいけないと
自答しなければならない。第三ステップのコブを抜けると
次に三角雪田と呼ばれる柔らかい雪の斜面に入る、

ここは山頂直下でネパール側からの風下にあたり南側からの
風雪の溜り場となって柔らかい雪が残る、
ベースキャンプから見てもそれと判る真っ白い三角状の部分である。

柔らかい雪は膝上ぐらいもぐり急斜面なので
ナダレそうでちょっと気味が悪い。
距離50mほどか、くの字にラッセルして頂上直下に出る。

丸みを帯びた岩と氷のミックス地帯を右から左に登り返すと
氷の頂上に出る。が、ここが本当の頂上ではないのだ。

すぐ先にもう一段高い、コブラが左に頭を持ち上げたような
氷の盛り上がった地点が最高点なのだ。

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登頂!地球の全てが足下にある

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地球の最高地8,848mチョモランマ
(英名 エベレスト ネパール名 サガルマータ)である 
真っ青な宇宙、誰もいない頂上に立ち尽くす。


やっと着いたのだ。
5月15日チベット時間11時5分 マイナス20度。
地球の全てが足下にある、果てしない神々の世界。

ここは宇宙なのだ。本心再登頂は無理かも、
何度引き返そうかと思ったことか、
そのたびに色々のしがらみが頭を駆け巡った。
行くか帰るか自分との闘いであった。

今この姿を子供に、母に見せたい、そして山で無くなった彼らに
「お前たちの分まで登ったぞ」と叫びたい。
支援してくれた人々にいつまでもお礼を言いたい。
怒濤のごとく涙があふれ顔中くしゃ
くしゃになった。涙があごの下からツララとなって垂れ下がった。

程なくしてパサンが上がってきた、強く硬く抱き合う。
サンも声が潤んでいる、45歳彼は5度目の登頂である、
すぐにカミシンゲも上がってきた。三人で喜び抱き合い

改めて私は彼らに「ランニャバード、デレイクシツー、サンキュウ、有難う」と
礼を述べるが涙で声にならない、
カミシンゲは初めてのエベレスト登頂である。

何度か今までに遠征隊に雇われながらアタックメンバーに
入れてもらえなかったのである。
シェルパ族でないタマン族の彼はこれで一丁前の男となり、
仕事も増えることだろう。

三人そろってコブラの頭をまたがして立つ、
ビデオもデジカメも凍りつき作動しない
中、カミシンゲに持たせてある一眼レフのカメラだけが最後の頼みである。
恐る恐るシャッターを切る。

やったー!!
これで証拠となる写真が撮れる。支援者の人たちの名前を書いた横幕を広げる、
パサンが片方を持つ、カミシンゲがシャッターを切る。

※この横幕は高橋保さん。奥さんの棣子さんに書いて頂いた
250名の方の氏名を書き込んだ横2m縦1mの大きさである。

私たちはつかの間の時間頂上にとどまったに過ぎなかった。
下りのことを思うとゆっくりと登頂を楽しむことは出来ない。いつの間にか
チョオユー8,201m方向に怪しげな雲が涌いている、

登頂はしたがベースキャンプに降りつくまで成功ではないのだ。
下りは登り以上に何倍もの神経を使う、慎重に慎重に、
初心の気持ちを忘れないで、絶対になめてかかってはいけない、

横着あなどってはいけない、慣れが命取りとなる。
下りはカミシンゲが先に、そしてパサン、少し離れて私が続く。
後ろから誰かに声をかけられた気がして頂上を振り向く…と
鬼神「ミヨラングサンマ」がほほえむ優しい声を聞いた。


「生きて地上に戻り、人々に伝えよ、山々を守り、
人々を愛し、争いの無い地球を、
目指せ人々の安らぎを、生ある限り闘い生き続けよ」。

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無事帰還

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5月17日第三キャンプにて登頂を振り返り日記帳に書いたものそのままです。

15日の登頂後8,300mの第六キャンプ、7,800m第五キャンプを下って
7,050m第四キャンプまで下り20時に着き、
何もかも疲れ果ててテントに転がり込みました。

この日夜中12時に出発して超高所で20時間の行動でした。
16日は6,500mのABC(アドバンスベースキャンプ)第三キャンプで
死んだように丸一日寝てました。

17日、身の回りを整理し18日のクリシナと
二人ベースキャンプへやっと下りました。第三キャンプに
残ったパサンとカミシンゲは各キャンプを撤収して
20日に全員5,200mのベースキャンプに揃い21日ベースキャンプに別れを告げて
22日カトマンドウに無事帰還致しました。

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山下健夫(登山家)
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