【コラム】ギリシャと韓国の長時間労働

ギリシャの年間労働時間は欧州最長、労働生産性低く経済転落
労働時間がギリシャよりも長い韓国、その効用は限界…能力開発と生産性に悪影響

 欧州で最も勤勉な国を挙げよと言われたら、ほとんどの人がドイツを思い浮かべるだろう。米国の世論調査機関、ピュー・リサーチ・センターが最近、ドイツ、フランス、英国、イタリア、スペイン、ギリシャ、ポーランド、チェコの欧州8カ国で実施した世論調査でも、そのような結果となった。「どの国の人が最も一生懸命働いていると思うか」との質問に、7カ国の国民がドイツを1番に挙げた。一方「最も働かない国」としては、ギリシャが5カ国中1位となり、体面を傷つけられる形となった。

 しかし、ギリシャの世論は全く違っていた。ギリシャ人の60%は、自分たちが最も一生懸命働くと回答した。これは全く根拠のない主張ではない。経済協力開発機構(OECD)の雇用統計を見ると、2010年のギリシャの年間労働時間は2109時間で、欧州で最も長い。ドイツは1419時間で、オランダ(1377時間)、ノルウェー(1414時間)と共に労働時間が最も短いグループに入る。ドイツ人よりも年間690時間も多く働いているにもかかわらず、ギリシャ人は「怠け者の民族」とばかにされるのだから、実に悔しいことだろう。

 ギリシャの評判が低下した理由はほかにもある。ギリシャはEU(欧州連合)などの金融支援や民間債権者との債務交換などを通じ、計3800億ユーロ(約37兆7800万円)の支援を受けた。これは、昨年のギリシャの国内総生産(GNP)2150億ユーロ(約21兆3800万円)の約2倍に当たる。このように他国の資金を湯水のように使いながら、自分たちの身は削れないと開き直っているため、色眼鏡で見られるのも無理はない。

 さらにギリシャの労働とドイツの労働は質が異なる。ギリシャは欧州で唯一、年間の労働時間が2000時間を超える。しかし国民所得は最低レベルにとどまっている上、国の経済は低迷し続けている。製造業の基盤が不十分ということもあるが、結局はギリシャ人の時間当たりの労働生産性が低く、働き方が非効率的であることが原因となっている。ギリシャの長時間労働は決して自慢にはならないのだ。

金基天(キム・キチョン)論説委員
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