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国際
中国・広州でアフリカ人がデモ、不審死が引き金…不法滞在急増、資源外交の“副作用”
【北京=川越一】中国広東省広州市で先週、警察署で取調中のナイジェリア人男性が突然死したことをきっかけに、アフリカ人住民による抗議行動が起きた。中国に不法滞在するアフリカ人は年々、増加し、中国社会との軋轢(あつれき)も隠せない。アフリカ諸国において中国政府が展開する資源外交の“副作用”が顕在化している。
中国国営新華社通信などによると、18日午後、ナイジェリア人男性が電動自転車タクシーの料金をめぐって、中国人運転手と殴り合いになった。駆け付けた警官が警察署に連行し、取り調べていたところ、男性が突然、昏睡状態に陥り、死亡したという。
この情報は瞬時にアフリカ人社会に広がった。19日午後、大勢のアフリカ人が、英語と中国語で「遺体を引き渡せ」と書かれたプラカードなどを手に警察署を包囲。抗議行動は約2時間続いた。新華社は参加者を「100人以上」と報じたが、インターネット上に流された写真では、数百人規模に膨れあがっていた。
広州市当局の統計では、現在、正式に住民登録しているアフリカ人は約2万人とされている。実際には在留期限が過ぎた後も居座っているアフリカ人が多く、その数は10倍の約20万人とも言われている。
経済発展を支える資源の確保を進める中国は、アフリカ諸国と友好関係を構築。多くの留学生などを受け入れてきた。安価な中国製衣料品などの売買でもうけようと、卒業後も中国に残ったり、滞在期間30日の査証(ビザ)で入国後、居座る例が後を絶たない。
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