その3
図書室に身を隠して暇つぶしに本を読んでい る、 俺と圭一。
授業も始まり、後は時間が経つまでこのまま 寝る か本を読むだけ………
「何処だ〜!!ケイケイにシュンシュン!」
近くの教室の扉をガンガン開ける音と共に女 の声 が響き渡る。
「マズい!千佳だ!担任の奴の差し金だろ う…まだ こちらには気付いていない!急いで 隠れて」
「だから!その呼び方ゲイみたいだからやめ ろっ つってんだろ!!!」
静かにしてやりすごそうとしたのに……バレ たじゃ ないか馬鹿。急いで隠れろ!
「ここね!ケイケイ覚悟!」
ガラリと図書室の扉が開かれ、ショートの活 発な 女の子が入ってきた。
彼女の名前は遠野千佳、クラスの学級委員長 にし て昔からの友達だ。
「圭一の馬鹿は何処に隠れたんだ?」
棚の中に隠れていた俺は、ふと思い出し圭一 を探 して見る。
圭一の姿を見つけて、俺は絶望した……
次の美術の時間に使うのだろうか?何か裸の 石像 の模型が並べられてEXILEみたいになっ ている。
そして最後尾に圭一が上手い事隠れて……い るつも りだろうか?
「にしても、外人模型EXILEに一人だけあい ついる のもキモいな」
隠れて動かない圭一を見ながら俺は呟いた。 「見事なEXILEね……でも動いていないのが 惜しい 」
何故か感心しながら石像&馬鹿を眺めている 千佳。
「………………」
その言葉を聞いて何故か一人周りだす圭一、 捕ま ってしまった。
「クソ!誘導尋問とは小癪な!周りのメン バーが 石像なのを忘れてた!」
悔しそうに千佳に捕まった圭一が地面を叩 く、ま さかここまでアホとは……
「峻護〜……すまん捕まってしまったなり 〜」
なり〜……なり〜……なり〜……
こだまするコロ助の泣き声。
コロ助の真似して可愛いくしても、俺は無視 して 隠れ続ける。
「クッ!俺を見捨てるのか!強行突破だ!」
コロ助じゃ出てこないと分かり、千佳の手を 振り 払い窓から脱出し走りだす圭一。
「よし!今の内にドアから脱出……」
ドアから脱出しようとした俺はふと、圭一を 見る 。
その日は風が強かった、外に出た圭一の腹め がけ てゴミ箱が飛んできて直撃。
俺は見た……最後に圭一はほほ笑みながら呟 いたの を。
「母さん……僕のピア………ノ」
「ニ○ル〜!!!!」
崩れ落ちた圭一を見て俺は叫んでしまい、見つかり 捕まってしまった。
「はいはい!教室行くよ!」
千佳にズルズルと引きずられ、教室に向かう俺達。
「大体聞いてるの?高校入ってまでこんな……あ! 待て!」
変わり身の術を使い走りだす、俺と圭一。
「何故……忍者の走り方をすると早く感じる のだろ う」
手をプランとさせて走りだす圭一。
「はやっ!速くなってる!俺もやってみ よ!」
現に無茶苦茶速くなったので真似してみる と、確 かに速くなってる感じがする。
「はぁ…はぁ…待ちなさい〜!!」
「うひゃひゃひゃひゃ!!!!」
「ひっ!」
奇妙な笑いと共に忍者二名が他の授業中の教 室の 前を通過していく。
窓際の生徒がリアルに怖がっていたな。
こうして、七不思議妖怪『うひゃひゃひゃひゃ』が 生まれた。
「これからどうする?」
「今から学校戻るのもダルいから飯食ってゲーセン でも行こうぜ」
圭一の奴が座ってタバコを吸いながら口を開 く。
俺も一本ポケットから取り出して答える。
そう、俺達はどうしようもない不良生徒して学園で は有名だった。
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