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思想家、安藤昌益宛ての手紙見つかる 八戸の資料館
 | 安藤の著作「自然真営道」24巻の表紙。デジタル処理すると、裏に貼られた手紙の文字が浮かび上がった(安藤昌益資料館提供) |
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秋田県大館市生まれで青森県八戸市などで活動した江戸中期の思想家、安藤昌益(1703〜62年)宛ての貴重な手紙が、著書「自然真営道」の表紙から見つかったと、八戸市の安藤昌益資料館が23日、発表した。肉眼では見えないが、複製本を作るためデジタル写真を加工したところ、表紙の補強に使われた手紙が透けて見えた。 手紙は、自然真営道の原稿をまとめた「稿本」から見つかった。東大総合図書館が保存するデジタル写真をダウンロードし、ことし3月まで2年かけて複製本を作成中、現存する12巻のうち2巻で確認した。判読できた部分は、「□月五日 権□ □藤正益様」「□藤昌益様 貴報」など。三浦忠司館長は「安藤に宛てた手紙であることは間違いない。本文を解読するにはさらに赤外線カメラなどの調査が必要だ」と言う。 自然真営道の稿本は、一番弟子の神山仙庵が清書し、製本したとされる。三浦館長は「一番弟子だからこそ、安藤宛ての手紙を表紙の補強材に使えたのではないか。安藤の手紙に関する資料はほとんどなく、貴重な資料になるだろう」と話している。
2012年06月24日日曜日
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