トーミ　最多１３本目サヨナラ弾　　通算６０９本塁打は歴代７位タイ

　【フィラデルフィア穐村賢】フィリーズのベテラン大砲ジム・トーミ（４１）が２３日、当地でのレイズ戦でメジャー史上最多となる１３本目のサヨナラ本塁打を放った。６−６で迎えた９回先頭で代打で出場。４番手の左腕マギーの８球目、外寄りの速球をとらえ左翼席に５号ソロを突き刺した。１９００年以降の近代野球では歴代単独１位で、これまではベーブ・ルース、ミッキー・マントルら５人と１２本で並んでいた。

　「忘れられない出来事だよ。代打は１年通じて任されていることだし、チャレンジでもある」。ダイヤモンドをゆっくりと１周すると本塁で待ち構えていたナインにもみくちゃにされた。通算６０９本塁打はサミー・ソーサ（元カブスなど）に並ぶ歴代７位。現役時代にヤクルトなどでプレーした“赤鬼”マニエル監督にも監督通算９００勝をささげ、節目の記録が次々と達成される一日となった。

　打席に向かう前。ネクストバッターズサークルで９回のマウンドを務めた抑え右腕パペルボンから「５０００ドル（約４０万円）出すので本塁打を打ってください」と頼まれた。試合後のクラブハウスで取材を受けた右腕は「まさかやってくれるとは…。『＄５０００』と手形を書いたよ」と苦笑いを浮かべたが、地元紙によると実際に金銭の授受はなかったという。

　トーミは１７日のブルージェイズ戦で、異なる３球団でそれぞれ１００本塁打以上をマークする史上４人目の偉業を成し遂げたばかり。往年のパワーは今も健在だ。