(2012年6月22日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
一体誰が、過去4年間というもの毎年、国債発行額よりも税収が少ない政府に対する債権を持ちたいと思うだろうか? また、国の経済規模の2倍以上に上る公的債務の山の一部を所有したいと思う人がいるだろうか?
実のところ、大勢いる。外国人投資家は、かつてない勢いで日本の国債市場に押し寄せている。日銀の発表によれば、今年3月の年度末時点で、海外投資家の国債保有高は国債残高全体の8.3%を占め、過去最高を記録した。
外国人の保有比率が過去最高に
それ以降、外国勢の保有比率はほぼ確実に上昇している。ギリシャとスペインを巡る不安の再燃で、世界中の資金が日本国債に逃げ込んでいるためだ。
リスクも考えると、日本以上に安全な避難先はない?〔AFPBB News〕
ゴールドマン・サックスのエコノミスト、馬場直彦氏(東京在勤)は、シャープレシオで見た場合、30年物日本国債のリスク調整後の利回りは同じ30年物の米国債の約3倍、ドイツ国債の4倍の高さだと指摘し、日本以上に安全な避難先はないと主張する。
「この市場には、有効な一時的避難所になれるだけの規模と流動性がある」と馬場氏は言う。
だが、日本国債に対する外国人投資家の関心の高まりは、2つの大きな問題を提起するとアナリストらは指摘する。新規参入組は今より高い利回りを求め始めるのか? また、もし外国人が撤退したら、市場に害が及ぶのだろうか?
最初の問いについては、少なくとも当面は、答えは恐らくノーだろう。その他の先進国市場のイールドカーブが日本のそれに近づくに従い、投資家はあまりえり好みしなくなっている。
マイナス利回りのドイツ国債よりまし
例えば、マイナス利回りのドイツ国債と比べると、1年物の日本国債の9ベーシスポイント(bp、1bp=100分の1%)という利回りは「十分に良い」とバークレイズの債券・金利トレーディング部長、永井秀樹氏は言う。
さらに、ユーロ圏のソブリン債務危機に起因する世界的なドル資金不足は、通貨スワップを利用した場合の日本国債の利回りを押し上げた。為替ヘッジした日本国債の対米国債の金利上乗せ幅は現在、3カ月物で47bp、1年物で55bpとなっている。
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