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2012-04-25

[]サイエントロジーと自閉症

既に当ブログでは何度か簡単に登場しているが、サイエントロジーという新興宗教団体がある。いわゆるカルトに分類されることが多い。そして彼らの教義の中に精神医学の否定がある。精神科医のことを「悪魔」だとか向精神薬を「悪魔の薬」と表現しているとも聞く。

■サイエントロジーと精神医学 – Wikipedia

信者で最も有名なのはトム・クルーズで彼は、ブルック・シールズが産後うつ病で抗うつ剤を服用したとして彼女を強く非難し、逆に社会から大いにひんしゅくを買った。後に謝罪したと伝えられているが。

サイエントロジーは自閉症とも無縁ではない。サタデー・ナイト・フィーバーでブレイクしたジョン・トラボルタも有名なサイエントロジストであるが、彼の息子は自閉症だった。その息子は2009年に亡くなった。サイエントロジーは自閉症を認めず、自らの弱さによってもたらされたものであるとして霊的なヒーリングで治療すべきだなどと主張しているらしい。このため、ジョン・トラボルタの息子が亡くなった時には、ジョンが教義のために必要な治療を怠ったためではないかという憶測が流れた。より具体的にはてんかんを併発していたのに薬を与えていなかったのではないかという疑惑である。真偽はさだかではないが。

■甲斐田雅子のフィラデルフィアリポート: ジョン・トラボルタの息子死亡の裏側

■トラボルタ、死亡した実子は自閉症だったと認める – MovieWalker

さて、サイエントロジーは日本でも活動しており、いくつかの団体があるようだが、代表的な団体は「市民の人権擁護の会」(CCHR JAPAN)である。民主党の一部議員とつながりが深いとも聞く。厚生労働相時代の長妻氏が抗うつ剤否定のコメントを出した際に、当ブログではサイエントロジーの影響かもしれない旨を書いたことがあるが*1、実は裏でそのような情報を聞いていた経緯があって述べたものだ。

この市民の人権擁護の会もサイエントロジーの教義に基づいて反精神医学の活動を行なっている。そして、医療ジャーナリストを名乗り、医療批判を行なっている伊藤隼也氏は、この市民の人権擁護の会と活動を共にしていることがネット上で確認できる。このことが先日、やや日刊カルト新聞で取り上げられた。

■やや日刊カルト新聞: 「サイエントロジー記者会見」を主催しちゃった自由報道協会(2)

余談だが、ネット上を検索してみると、抗うつ剤SSRI批判に当ってはこれに浜六郎氏が加わったりもする。浜六郎氏はタミフル騒動の際に多数メディアに出演して有名になった薬害活動家。余談つづきで恐縮だが当ブログでは浜六郎氏に関して取り上げたこともある*2

さて、伊藤隼也氏について話を戻すと、彼は自閉症などの発達障害に対する向精神薬治療を否定する記事をメディアで発表しており、その関係で当ブログでも彼について一度記事にさせて頂いている。

■話題の“医療ジャーナリスト”の矛先が発達障害への向精神薬投与にも向かってきている件、そしてASD児への薬物療法について

もともと社会は向精神薬への偏見や恐れ、不安を持っており、このような主張がメディアでもてはやされやすい土壌を持っているのだと思う。しかし、メディア側もしっかりチェックすれば背後にカルトの影響の可能性を伺うことができるだろう。私のようなド素人にすら想像がつくのだから。

ちなみにある先生にお会いした際に、大手メディアまで巻き込んだリタリン・バッシングとそれに続くADHDへの処方停止についても「サイエントロジーにやられた」と繰り返し仰っていた。興味深い話であったが、そのためにお会いしたわけではなかったので、それ以上の話は伺わなかったのであるが。

なお、サイエントロジーはオーソモレキュラーと仲が良いことも知られている。オーソモレキュラーはメガビタミン療法などサプリメントで疾患等を治療しようという根拠の定かでない代替医療である。有効性の確たる証拠がないばかりでなく、安全性に問題がある可能性もあり総じてコストも高い。要するに平たく言えば良いことがない。自閉症もターゲットにされている。

■札幌市教委が後援しちゃった自閉症代替医療セミナーの件

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