とんでもなく素晴らしい機能を見落としていました。
前記事で、省電力、低コストであることを報告した2011年版PT2録画静音サーバーですが、最も有効で強力なメリットに気がついていませんでした。
それは、今回使用したCPU, Intel Core i3-2100T のH.264(MPEG-4 AVC)ハードウェアエンコードの性能です。前記事で、最後にMPEG-2 TSからMPEG-4 AVCにハードウェアエンコードができるカードが必要などとボケた事を書いてしまいました。
Sandy BridgeのH.264(MPEG-4 AVC)ハードウェアエンコードは素晴らしい!
そうなんです、2011年版PT2録画静音サーバーの中には、すでにMPEG-4 AVCへのハードウェアエンコーダが組み込まれていました。
<追記 2011年5月29日>
Sandy BridgeのH.264(MPEG-4 AVC)のハードウェアエンコード機能、Intel Quick Sync Videoと呼ばれる機能を使用するためには、以下の条件を満たす必要があります。
(1)CPUは、Sandy Bridgeと呼ばれるマイクロアーキテクチャを採用したもの。
今回私が使用したIntel Core i3-2100Tもその一つ。
(2)マザーボードは、H,Z系チップセットを使ったもの。
ASUSでいえば、P8H67シリーズ、P8Z67シリーズなど。
(3)オンボードのビデオを使う。
他のビデオカードを載せて使うとダメらしい。
(4)OSはWindows7を使うこと。
(5)Intel Media SDKに対応したエンコードソフトを使うこと。
TPMGEnc Video Mastering Works 5は対応している。今回私も9800円払って購入しました。本当はMediaCoderというフリーソフトが使えるという情報がありましたが、実際にダウンロードして使ってみると、なぜかエラーになります。早く修正していただければと思ってます。
ここまで書いて再度調べたら、MediaCoder x64が2011年5月28日にアップデートされて、build 5158になっていました。これで、3分ほどのMPEG-2 TSファイルをエンコードしたところ、見事MPEG-4 AVCファイルが1分半程度でできました! 品質、時間等詳細は別途報告するとして、フリーソフトでできるようになったので、さらに本サーバーの付加価値が上がりました。
<追記 2011年7月7日>
MediaCoderを調査した結果、残念ながらMPEG-2 TSからH.264への変換で音ずれの問題がありました。
詳細は、http://www.kusa-makura.com/blog/?p=1706 を参照。
以下のような標準的な録画ファイルの圧縮をソフトウェア、ハードウェアで比較してみました。
エンコード実験の仕様
項目 |
内容 |
備考 |
録画ファイルの長さ |
59分11秒 |
BS11 デキビジ |
録画ファイルのサイズ |
8762MB |
|
録画ファイルのフォーマット |
MPEG-2 TS |
PT2による衛星デジタル放送の録画 |
エンコードソフトウェア |
TMPGEnc
VideoMastering Works 5 |
Version 5.0.6.38 |
エンコード設定 |
MPEG-4 AVC
1パスCBR 4000kbps |
サイズ 1920×1080
アスペクト比 16:9 |
TMPGEnc Video Mastering Works 5の「出力設定」画面で、映像エンコーダを「Intel Media SDK Hardware」に設定します。
エンコードした結果は以下のとおり。
エンコード性能の比較
方式 |
エンコード時間 |
ファイルサイズ |
圧縮率 |
ソフトウェアエンコード
(X264) |
4:00:40 |
1707MB |
19.5%
(1707/8762) |
ハードウェアエンコード
(Intel Media SDK Hardware) |
0:35:36
|
1768MB |
20.2%
(1768/8762) |
衛星デジタル放送の1時間の録画ファイル(MPEG-2 TSファイル)が35分で圧縮でき、
8.7GBのデータが1/5の1.77GBになり、
画質も遜色ありません。
これが、一切何も追加することなく、ソフトウェアの設定だけでできました。すばらしい!
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