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血栓症 タンパク質異常も原因
6月21日 6時58分

血栓症 タンパク質異常も原因
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血液が血管の中で固まりやすくなり、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす「血栓症」は、血液の流れをよくするタンパク質の異常が原因の一つになっていることが、名古屋大学のグループの研究で分かり、新たな治療法の開発につながると注目されています。

研究を行ったのは名古屋大学大学院医学系研究科の小嶋哲人教授の研究グループです。
研究では、家族に血栓症が多い患者に協力してもらい、白血球を調べたところ、血液の流れをよくする「プロトロンビン」と呼ばれるタンパク質の遺伝子が一部、変異していることが分かりました。
このタンパク質の遺伝子を細胞に組み込んで培養すると、正常な遺伝子の場合と比べて血液の流れをよくする働きが弱まり、血液を固まりやすくする物質が大量につくられていました。
この変異は患者の家族に共通してみられたということで、研究グループでは、血栓症は生活習慣などのほかに、タンパク質の異常によっても引き起こされ、遺伝することが裏付けられたとしています。
小嶋教授は「血栓症は、心臓や脳の病気など日本人の死因のおよそ4分の1に関係しているといわれている。原因を一つ解明したことで、新たな治療法の開発につながると期待される」と話しています。

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