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使用済み核燃料処理 3選択肢提出へ
6月21日 18時6分

使用済み核燃料処理 3選択肢提出へ
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「核燃料サイクル」の見直しを進めてきた原子力委員会は、使用済み核燃料を「直接処分」する方針を含めた3つの選択肢を決定し、エネルギー政策を議論している政府の会議に提出することを決めました。一方で、見直しを巡って、作業部会の報告書の原案が公表前に電力会社などに配られた問題で検証が続いていて、検証終了前の決定に批判が集まりそうです。

原発の使用済み核燃料を再処理し再び燃料として利用する「核燃料サイクル」政策を巡っては、去年3月の原発事故を受けて国の原子力委員会が見直しの選択肢を検討してきました。
作業部会が先月報告書を取りまとめ、原子力委員会は、21日の会合で3つの選択肢をエネルギー政策を議論している政府の有識者会議「エネルギー・環境会議」に提出することを決めました。
3つの選択肢では、2030年の原子力が占める発電量ごとに使用済み核燃料の取り扱いが位置づけられていて、原発が0%の場合は、すべて燃料を地中深くに埋める「直接処分」を適切とし、およそ15%の場合は「直接処分」と現状の政策の「再処理」の併存が適切だとしています。
また、原発を一定規模維持しておよそ20%から25%にする場合は、すべてを「再処理」する方針が有力だとしています。
「エネルギー・環境会議」は、これらの選択肢を踏まえて、この夏をめどに原子力の発電比率など長期的なエネルギー政策を決める方針です。
一方で、作業部会では、報告書の公表前の原案が、非公式の勉強会で経済産業省や電力会社など原子力を推進する関係者に配られたことが問題になり、内閣府の検証チームは、来月までに結果を取りまとめる予定で、検証が終わらないなかでのこの日の決定に批判が集まりそうです。

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