福留に戦力外通告、３Ａ調整中　国内複数球団が獲得に興味

　ホワイトソックスは２２日（日本時間２３日）、右脇腹痛で傘下のマイナー、３Ａシャーロットで調整していた福留孝介外野手（３５）に事実上の戦力外を通告したと発表した。メジャー出場の前提となる４０人枠の登録から外した。福留は他球団への移籍か、マイナー契約での球団残留のどちらかを迫られるが、球界関係者によると、今季については米国でのプレー続行を希望している。日本球界では阪神が獲得に動いており、楽天なども興味を示しているもようだ。

　無情の通告だった。福留に戦力外の知らせが届いたのは現地時間２２日。傘下の３Ａシャーロットの一員として同行していた遠征先のニューヨーク州ロチェスターでのことだった。

　「既に（戦力外に）なってしまったことを今更とやかく言っても仕方がない。とりあえず（自宅のある）シカゴに帰ります」。共同電によると、福留はショックを隠せない様子だ。３日のマリナーズ戦の試合中に右脇腹を痛めて故障者リスト（ＤＬ）入り。１８日から３Ａで実戦調整をスタートし、５試合目となる２２日のロチェスター戦を最後にメジャーに復帰する手はずになっていただけに、“寝耳に水”だった。

　ストーブリーグでは苦労した。昨季終了後にインディアンスからＦＡとなったが、移籍先探しに難航。ホワイトソックスと格安の１年１００万ドル（約８０００万円）で契約にこぎつけたのはキャンプイン直前の２月１４日だった。ただし、球団内ではあくまで控え野手の立場。今季は出場機会をなかなかもらえず２４試合で打率１割７分１厘、０本塁打、４打点だった。

　福留に近い関係者によると、今季は米国でのプレーを続ける意向という。それでも日本球界から熱烈なラブコールが送られるのは必至。外野手補強を目指す阪神が獲得に動いているもようで、中日指揮官時代に福留をドラフト１位で指名した星野監督率いる楽天も関係サイドに問い合わせの電話を入れたという。

　「今後についてはこれから考える。その時間を与えられているわけだし、家族や代理人と相談して決めたい」。今季はメジャー５年目。夢だったメジャー生活を志半ばで終わらせたくはない。今は我慢の時期。人事を尽くして天命を待つ−。

　中日時代の恩師である楽天の星野仙一監督は福留の戦力外通告をＫスタ宮城でのロッテ戦前に聞き、「まだ（保有権を）シカゴ（Ｗソックス）が持っているんだろ。どういう契約になっているんだろうな」と語るにとどまった。左打者は補強ポイントと合致しており、このことを聞かれると含み笑いも浮かべた同監督。しかし、ライバル球団との“マネーゲーム”には興味がない様子で「俺はそういうのに参加しないことにしたんだ」と話した。