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原発投票条例案が委員会で否決
6月18日 17時0分

原発投票条例案が委員会で否決
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原発の稼働の是非を問う住民投票を東京で行うため、市民グループが制定を求めている条例案は18日に開かれた東京都議会の委員会で採決が行われた結果、否決されました。
条例案は20日の本会議であらためて採決が行われますが、同じように否決される公算が大きいと見られています。

市民グループが32万人あまりの署名を集めて制定を求めていた原発の稼働の是非を問う住民投票を東京で行うための条例案は、18日に開かれた都議会の総務委員会で採決が行われました。
委員会では都議会の民主党と生活者ネットワーク・みらいが「署名を集めた熱意と行動に敬意を表して、都民が意見を表明する場を用意するべきだ」として投票できる年齢を16歳以上から20歳以上に引き上げるなどとした修正案を共同で提出し、共産党もこの修正案に賛成する考えを示しました。
これに対して自民党と公明党は「エネルギーの問題は国が戦略的に決めるべきで、都民だけで判断を下すことはふさわしくない」として反対する考えを示しました。
そして採決が行われた結果、賛成と反対が7人ずつで同数になりましたが、公明党の委員長が反対にまわったため、条例案は否決されました。
条例案は、20日開かれる都議会の本会議であらためて採決が行われますが、自民党と公明党など条例の制定に反対する勢力がわずかに過半数を上回っているため否決される公算が大きいとみられています。
委員会を傍聴した市民グループ代表の高田惠理さんは「残念ですが、私のような政治がわからない普通の主婦やいろいろな生活背景を持った人たちが、地域を越えて学びあうことができました。今回の経験を伝えて、活動を広げていきたいと思います」と話しています。

原発投票条例案の経緯

原発の稼働の是非を問う住民投票を東京で行うための条例案は、市民グループ「みんなで決めよう『原発』国民投票」が都内で32万人あまりの署名を集めて直接、制定を求めているものです。
市民グループは、新潟県の柏崎刈羽原子力発電所など、東京電力の原発の稼働の是非について都民の意思を反映させるべきだとして住民投票の実施を求めています。
これに対して石原知事は「国が責任を持って判断するべきだ」などとして条例案に反対する考えを示しています。
条例案は東京電力の原発の稼働について16歳以上の都民や都内に住む永住権がある外国人が賛成か反対かを投票するものです。
これに対して都議会の民主党と生活者ネットワーク・みらいが、16歳以上や永住外国人の人たちも投票できるとした部分を、日本国籍を持つ20歳以上の都民とするなど修正した新たな案を共同で提出しています。
また共産党は住民投票条例の中に投票への妨害行為などについて罰則を設けるのは適切でないとして罰則について書かれた項目を削除した修正案を提出しています。
都議会で条例案が可決・成立した場合に条例が施行されてから90日以内に住民投票が行われることになります。
投票結果に法的拘束力はありませんが、知事と都議会は投票結果を尊重し、東京電力や国などと協議して都民の意思が正しく反映されるようつとめなければならないとしています。

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