なでしこジャパンのメンバー選考が“スクランブル状態”に入った。
サッカー女子日本代表は22日、3カ国対抗「スウェーデン招待」を終え帰国。佐々木則夫監督(54)は「足もとを見直す上でもいい遠征だった」と振り返った。
ロンドン五輪で金メダルを目指すなでしこだが、世界ランク1位で最大のライバルの米国代表に1−4で惨敗。予選リーグで対戦するスウェーデン代表には1−0辛勝という結果は、指揮官にとって“想定外”だったといえる。
選手にも、もちろん笑顔はない。「これから数段レベルアップしないと金メダルは獲れない」とはMF宮間あや主将だ。露呈したのは迫力にかけるFW陣、大黒柱・MF沢穂希のコンディション不良、そしてDF陣の不在。佐々木監督にしてみれば「女子にもオーバーエージ枠があれば…」が本音かもしれない。
7月2日には、18人+サポートメンバー4人が発表される。佐々木監督は今回の遠征中、選手全員に1対1で個人面談を敢行。GK2人のほか、DFでは鮫島彩、熊谷紗希は決まり。MF宮間、川澄奈穂美、もちろん沢を外す構想は全くない。
注目はFWだ。3戦連続ゴールの永里優季と女子歴代3位の代表37ゴールの大野忍は当確だが、あと1人は決め手を欠く。昨年9月のアジア最終予選での左ひざ負傷から復帰し、今回の遠征にも招集されたFW丸山桂里奈も、ボーターライン上にいる。佐々木監督は、今週末も「なでしこリーグ杯」の千葉−浦和戦(23日)を視察予定だ。
来月16日からは、いよいよロンドン五輪の最終調整としてフランス合宿を行うが、サポートメンバー4人も帯同することが決まった。
「優勝した昨年のW杯前も米国に連敗したのですから、大丈夫です」と話す佐々木監督。その表情が、どこかこわばってみえたのだが…。(夕刊フジ編集委員・久保武司)