ウォール街がムーディーズに反撃、「不透明」格付けとシティ
6月22日(ブルームバーグ):1998年の誕生以来で最低の水準に格下げされた米銀シティグループは、ウォール街の先陣を切って格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスに反撃した。
シティは自行の2段階格下げについて、根拠がなく裁量的で同行の財務力を認識していないと反論。「不透明」な格付けを無視するよう投資家に呼び掛けた。
シティは「ムーディーズの手法は過去ばかりを見て最近数年のシティの変容を勘案していない」とし、「信用力に関する投資家と顧客の分析がここ数年の間にはるかに洗練されたものとなり、格付け、特にただ1社の格付け会社による格付けに頼って判断をすることはないと確信している」とのコメントを出した。
ムーディーズはシティとモルガン・スタンレー、バンク・オブ・アメリカ(BOA)、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)などを格下げ。各行にとっては資金調達コストの上昇やデリバティブ(金融派生商品)取引で必要な担保の増大につながる重大な問題。ムーディーズは、政府救済を受けたこの4行について、歴史的に「ボラティリティが高く」、リスク管理に問題があると指摘した。
RBSは発表文で、ムーディーズの格下げは同行が「バランスシートと資金調達、リスク状況について達成した大きな改善を正しく評価していない」と論じた。
シティと共に「Baa2」に格下げされたBOAは、「当行の体質を転換した結果、顧客にサービスを提供するのに十分な流動性とリソースを備えている」と表明。
3段階格下げを免れ2段階の格下げとなったモルガン・スタンレーは、「ムーディーズの見直し後の格付けは同社が当初示唆したよりは高いものの、当行が最近数年に行った最重要の戦略的行動を十分に織り込んでいない」とし、「リスクを低下させたバランスシート、安定的な資金調達源、多様な事業内容、強力な経営陣で、顧客と株主の期待に応える力は十分だ」と主張した。
原題:Citigroup Leads Wall Street Banks in Moody’s DowngradeDismissal(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Donal Griffin dgriffin10@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Rick Green rgreen18@bloomberg.net
更新日時: 2012/06/22 15:48 JST