≫あなたのブログに福井のニュース
安い電気料金で企業誘致アピール 福井県が推進戦略本部会合
(2012年6月23日午前7時53分)
原発立地の安価な電気料金を前面にアピールし企業誘致することを決めた県の企業立地推進戦略本部会議=22日、福井県庁
福井県は22日、「攻めの企業誘致」に向け部局横断でつくる企業立地推進戦略本部の本年度2回目の会合を県庁で開いた。嶺南を中心とする原発立地・周辺地域では電気料金が安いという電力供給県の特性を前面に出してアピールし、県外製造業などを対象に誘致を働き掛けていくと確認した。
同本部は昨年5月の機構改革とともに新設。満田誉副知事を本部長とし、産業労働部と東京、大阪両事務所などの職員で構成。東日本、西日本のエリア別に営業本部を置き、企業の情報収集や誘致活動に取り組んでいる。
県内に立地しようとする企業向けの優遇措置の一つとしては、原発立地市町と周辺市町では電源3法交付金を活用した電気料金の割引が受けられる制度がある。県の試算によると、契約電力量2千キロワットの大規模工場が立地する場合、電気料金は8年間にわたり約3〜5割の割引き。契約2百キロワットの中規模工場は5〜6・5割引になるという。
たとえば、関西電力管内の大規模工場をモデルとして試算すると、年間稼働率50%などの条件で一般的な電気料金は年1億2千〜3千万円程度。これに対し、美浜町など関電管内の原発立地市町に立地すれば、料金は年約7千万円に抑制できるといい、企業にとってのメリットは大きい。
また、国内の原発の多くは再稼働のめどが立たず「国内で電力供給に不安がある中、企業の海外流出が懸念されている」(満田副知事)という現状から、安定供給を必要とする企業に対しアピールポイントになるとの考えもある。
誘致のターゲットとしては、化学や鉄鋼、電子関係のほか、24時間稼働するデータセンターなどの業種を想定。安価な電気料金の試算データを示しながら営業活動をする。
会合で副知事は「本県は電力供給地として安価で豊富な電力があると前面にPRし、県内で安心して操業してもらうよう誘致に努めてほしい」と述べた。
また、県は県外製造業の県内移転経費を補助する新制度も6月定例県会に提案しており、県会で承認されれば併せてPRすると確認した。
