沖縄慰霊の日:「絶対生きろ」投降促した知事の言葉胸に

毎日新聞 2012年06月23日 15時36分(最終更新 06月23日 16時01分)

沖縄戦の体験を語る山里さん=沖縄県うるま市で2012年6月12日、佐藤敬一撮影
沖縄戦の体験を語る山里さん=沖縄県うるま市で2012年6月12日、佐藤敬一撮影

 「そのうちに回復の見込みのない人も生きているうちに投げ込むようになった」と山里さんは振り返る。「僕はまだ生きているよ。助けてくれ。頼む、頼む、まだ生きているよ」。悲痛な声は今も耳に焼き付いている。

 6月初め「県庁から借りた職員は知事の下に返す」と告げられ、知事らがいた糸満市の「轟(とどろき)の壕」に移動した。6月15日か16日、山里さんは壕の入り口で鉄かぶとを肩からさげた知事に出会った。「絶対軍と行動を共にするんじゃないぞ。最後は手を上げて出るんだぞ」。知事は山里さんの肩をたたいて出て行った。

 国のために命をささげるつもりだった。「今になって、捕虜になれと言うのですか」。悔しくてたまらなかった。だが、その後、壕に逃げ込んできた日本兵が泣きわめく子供を銃で射殺したのを目撃し、変わった。「友軍なんてこんなものか、絶対に生きてやろうと思いました」。知事の言葉通り、投降して生きた。

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