【名古屋】中日電子(名古屋市緑区、堀田透社長、052・891・0111)は、計測器やFA機器などをネットワークにつなぐ際、通信を暗号化できる専用アダプターを開発した。アダプターの基板上で暗号化するため、パソコンを介さなくても通信の安全性を高められる。7月にも発売する。価格は1台3万円。工場やビル、家庭のエネルギー管理システムに需要を見込み、初年度2万台の販売を目指す。
開発した専用アダプター「IP―10S」は、主に法人向けに1000台単位で販売する。大きさは縦5センチ×横3センチ×厚さ2センチメートルで、伝送速度は最大毎秒115・2キロビット。
電圧計や分電盤などは「シリアル通信」と呼ぶ方式でデータを出力することが多い。各機器の計測データをLANやインターネット上で確認するには、専用アダプターが必要。同通信は接続機器が特定されているため、従来は通信暗号化機能を持つアダプターがなかった。今後は個人情報などを含むデータの伝送が増えることが予測され、機密性の向上が課題になっていたという。