原監督の「1億円スキャンダル報道」の影響で、長野でリーグ戦再開初戦(22日、ヤクルト戦、長野)を迎えた巨人ベンチはどことなく異様なムードに包まれた。
試合前練習が始まった頃のナインは笑顔を見せていた。ところがところが午後2時前に原監督がグラウンドに姿を現すと、どことなく緊張感が漂い始めた。ほどなく、原監督は長野に打撃指導。報道陣もその内容を聞こうと、練習後の長野に近づいたが、報道陣を振り切るように猛ダッシュでロッカーへと戻っていった。
その後、一連の事態を心配したかOBの篠塚和典氏(評論家)がグラウンドに登場。もちろん、原監督が女性と関係を持っていた時代にクリーンアップを担った〝戦友〟だけに、ケージ裏で話し込む姿には報道陣だけでなくナイン、関係者も注目した。
球場には試合開始が近づくにつれ、報道陣の数が増えていった。ナインはこれに敏感に反応。普段の試合では見慣れない人物を見つけるたびに「あの人はどこの社の関係者ですか」と顔見知りの記者に〝逆取材〟する選手がいるなど、ピリピリムードに包まれた。
球団関係者は原監督の今後の警備強化などについて「自宅付近については(週刊誌等が)動き始めた辺りから警戒を強めてはいる。球場等に関しては、今のところ考えているものはない」というが、選手の気持ちを安定させるためにも、早く手を打ったほうがよさそうだ。
ヤクルトナインがウオーミングアップを始めた頃、小川監督をはじめ、荒木投手コーチ、宮本などが原監督をあいさつに訪れたが、結局、報道陣には一言も話すことなく監督室へと戻っていった。
先発は交流戦MVPの内海だったが、4回にバレンティンの16号ソロで先制を許すと、さらに連打を浴びて2失点。打線が相手の左腕・赤川を打ちあぐねる中、7回には2番手・福田がバレンティンにこの日2本目の17号3ランを被弾。打線は終盤になって2点を返すのがやっとだった。