小沢派が指摘する「野田再選シナリオ」
2012年06月22日 12時00分
これが野田再選シナリオなのか――。野田佳彦首相(55)が消費税増税へ向け、党内最後の説得となった20日の民主党両院議員懇談会は、怒号が飛び交ったものの予定通り淡々と終了。増税関連法案は早ければ22日にも衆院を通過する見通し。党執行部は法案成立を確実にするため、今国会会期を9月8日まで大幅延長する旨を各党に伝えた。だが、法案への反対姿勢を崩さない小沢グループの議員は「9月の代表選で再選を狙うつもりだ」と野田氏の隠された意図をズバリ指摘した。
会場となった憲政記念館は午後8時までしか利用できない。タイムリミットが決まっているため、反対派はあきらめムード。中抜けした小沢グループ議員は喫煙室でたばこを吹かし「これは茶番なんだよ」とこぼした。小沢側近と呼ばれる数人の議員も1時間足らずで会場をあとにしていた。
反対派議員は「分裂だろう。50人以上は党を出て行くのではないか。そうなったら民主党は自民党と協力してやっていくしか道はない」と指摘。〝自民党野田派〟になるとやゆした。
一方、国会会期の延長について、自民党関係者は「予想より長い。おそらく『いつでも解散できるぞ』という党内向けの脅しだろう」と分析。小沢グループのある議員は「9月といえば代表選がある。野田首相はそのまま自分が再選されるつもりでいる。そのための延長だ」と推測。「今回のゴタゴタで前原(誠司)政調会長の将来はなくなった。そもそもほかに誰もいないから、野田氏が首相になったんだから、代えようがない」と付け加えた。