陸自の監視で人格権侵害、国に慰謝料支払い命令
陸上自衛隊の情報保全隊に市民活動を監視され、人権を侵害されたなどとして、東北6県の107人が監視活動の差し止めなどを求めた訴訟の判決が26日、仙台地裁であった。畑一郎裁判長は原告側の請求の一部を認め、自衛隊の内部資料に実名が記載された5人について、国に慰謝料など計30万円の支払いを命じた。
判決では、情報保全隊が5人の氏名や職業、所属政党などの個人情報を収集・保有したことについて、「(国側が)正当な目的や必要性を示す具体的な主張をしていない」とした上で、「自己の個人情報を正当な目的や必要性によらず、収集・保有されないという個人情報をコントロールする権利たる人格権を侵害している」と認めた。
原告側が求めた監視活動の差し止めについては「差し止め対象(となる監視活動)の特定を欠いている」として却下した。
訴状などでは、情報保全隊は2003年10月1日〜04年2月22日、自衛隊のイラク派遣に反対するデモや集会を監視。参加した個人・団体名や活動趣旨などを内部資料にまとめるなどしたとし、「監視行為でプライバシーの権利、言論表現の自由、結社の自由などを侵害され、著しい精神的苦痛を受けた」と主張している。
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