◇…スポーツ報知の購読申し込みは、フリーダイヤル 0120-16-4341(イロ ヨミヨイ) まで…◇
◇…過去の記事は、ご使用のプロバイダのデータベース・サービスをご利用ください。…◇
◆阪神1―2DeNA(22日・甲子園)最高の再スタートを切った。5月3日の中日戦(ナゴヤD)以来、33試合ぶりの「4番」に復帰した新井貴の立ち姿には、これまでにない自信と落ち着きがあった。
2回の第1打席。DeNAの先発・高崎の外角スライダーをとらえ、中前へ安打をはじき返した。第2、第3打席は連続四球を選び、課題だった選球眼でも変身ぶりを見せた。試合後、「微修正しました」とフォーム改良の結果だったと明かした。
リーグ戦再開前日の21日。阪神OBの掛布雅之さん=スポーツ報知評論家=との対談で、1、2球目の選球の悪さが不振の原因だと指摘された。打開策を議論した約1時間。汗だくになり、身ぶり手ぶりで指導するミスタータイガースに、新井貴も食らいつきそうなくらい真剣に向き合った。
対談終了後も、教えられたスイングを何度も繰り返した主砲は、この日の試合前練習で快音を連発。「(指導の前後で)打球が違う。粘り強く続けてやっていかないと」と手応えを口にしていたが、本番でも成果が出た。
開幕から4番を打ち、厳しいヤジに何度もさらされた。それでも「もう一度、4番を打ちたい」と、心は折れなかった。キャンプ中、掛布さんから聞いた話がある。「車を傷つけられたり、買い物中、夫人に『お前なんかと結婚するから掛布が打てなくなった』と言うファンまでいたと聞きました」。家族まで傷つけられる苦しみを抱えながら乗り越えていった阪神の4番打者の強さを、背番号25も胸に刻んだ。
チームはわずか1得点で、リーグ戦再開を白星で飾ることができず、勝率5割復帰を逃した。「新井が中心になって、引っ張っていってもらいたい」と打線の先導役を託した和田監督に、帰ってきた4番打者は「そのつもりでやります」。瞳を輝かせ力強くうなずいた。
◆掛布さんの新井貴熱血指導VTR リーグ戦再開前日の21日、掛布さんが新井貴の意気込みを聞く「新旧4番対談」の予定だったが、いつしか白熱の打撃論に。掛布さんは〈1〉左足の踏み出しは「足裏全体でドスン」ではなく「爪先からかかと」の意識で〈2〉構えた際に右足に片寄る体重配分を左右均等に、とアドバイス。新井貴は「一気によくなりそうです。すごく打てそうな気がします」と“開眼”した。
(2012年6月23日10時16分 スポーツ報知)