フォーメーション練習でMF吉村(左)と競り合うMF田口=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで
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名古屋グランパスのドラガン・ストイコビッチ監督(47)が22日、巻き返しのキーマンにMF田口泰士(21)を指名した。磐田戦(23日・瑞穂陸)に備えたフォーメーション練習では田口をワンボランチに置いたシステムをチェック。進境著しい若手を4−3−3の要に据え、前節鹿島戦に続く連勝を狙う。
4年目の田口が指揮官から司令塔の役割を託された。試合の前日としては異例のフォーメーション練習でストイコビッチ監督が守備的MFに選んだのは鹿島戦で先発したダニエルでもなく、故障が癒えたベテラン吉村でもなかった。
「田口はスタメンで十分通用する選手だ。チームにとって彼のプレーが重要だし、クオリティーの高いプレーを見せてほしい」。Jリーグで先発出場わずか2試合の若手に対し、揺るぎない信頼を口にした。
ピクシーが基本システムに採用している4−3−3で、最重要の役割を担うのが中盤の底で攻守のバランスを取る守備的MFだ。ダニルソンが5月に故障離脱して以降“代役探し”が焦点に浮上。指揮官は5月25日のC大阪戦で田口を初めてボランチでテストすると、6月上旬の飛騨合宿でも重点指導を施していた。
そんなピクシーの眼力を証明したのが16日の鹿島戦。0−1の後半から田口を投入し、3−2の逆転勝ちに結び付けた。田口は「ズミさん(小川)、淳吾さん(藤本)と積極的に声を出して連係を取るようにした。前線に上がりすぎず、ポジショニングに気を配った」。中盤でトリオを組む先輩MFを操り、攻撃のリズムを生み出した。
磐田戦に向けて、ストイコビッチ監督は「もっと効果的にサイドを使え」などと指示した。田口のパスセンスを見込めばこそのアドバイスだ。「(先発抜てきは)彼にとってラッキーでも何でもない。実力でつかんだチャンスなんだ」。指揮官の熱い期待に、伸び盛りの21歳が応えるか。 (木村尚公)
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