運転免許試験、携帯でカンニング…中国籍の４人逮捕

押収された携帯電話、小型のイヤホンなど

　免許試験でカンニング！！　警視庁と愛知、栃木両県警は２２日までに自動車運転免許証の学科試験で不正に解答をやりとりしたとする道交法違反（運転免許不正取得）などの容疑で、中国籍の男女４人を逮捕した。首謀者の男は、日本語の読み書きが不自由な男から１８万円の報酬を受け取り小型ワイヤレス型イヤホンを通して答えを教えていた。

　道路に出る前から道交法違反…。合格率８割超といわれる運転免許証の学科試験を舞台に“壮大な”カンニングが行われていたことが発覚した。

　警視庁によると、逮捕されたのは、いずれも中国籍の栃木県足利市の職業不詳・張展彪（３７）、岐阜県多治見市の無職女（２０）、名古屋市の無職・郭建海（３４）、神奈川県秦野市の調理師・李海濤（４１）の４容疑者。

　張容疑者と女は５月１６日、江東運転免許試験場（東京都江東区）で郭容疑者が運転免許の学科試験を受験した際、外部から携帯電話で解答を伝え、不正に運転免許を取得させるなどした疑い。郭容疑者は日本語の読み書きがほとんどできず、耳の中に直径１・５ミリのワイヤレス型イヤホンを入れ、張容疑者から中国語で解答を教わっていた。

　警視庁によると、試験問題は２択。容疑者グループは試験の出題と解答に一定のパターンがあることを知り、受験者から設問内容を聞いて、予想される解答を伝えていたとみられる。１００点満点中９０点以上が合格点。郭容疑者は９７点だった。

　免許の不正取得が横行しているとの情報をもとに、都内の試験場に張り込んでいた捜査員が今月２０日、小型のイヤホンを持っていた李容疑者を発見し、建造物侵入容疑で逮捕。供述などから張容疑者らが浮上した。

　張容疑者は日本語の読み書きが不自由な中国人を集めて同様の手口で解答を教え、１回当たり１８万円の報酬を受け取っていたとみられる。郭容疑者は容疑を認めているが、張容疑者は「何も言いたくない」と供述を拒んでいる。

　中国語による学科試験は都内では行われていないが、愛知県など一部の試験場では受験できる。つまり、名古屋市在住の郭容疑者は１８万円もの大金を支払わず、カンニングもしないで試験を受けることが可能だった―。

（2012年6月23日06時02分スポーツ報知）