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【大リーグ】

ダルビッシュが9勝目 首脳陣に直訴で今季最多122球の熱投

2012年6月22日 紙面から

パドレス戦に先発、リーグトップタイの9勝目を挙げたレンジャーズのダルビッシュ=ペトコ・パークで

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◇レンジャーズ4−2パドレス

 【サンディエゴ穐村賢】志願の今季最多122球で2桁勝利に王手!! レンジャーズのダルビッシュ有投手(25)は20日(日本時間21日)、当地での交流戦・パドレス戦に先発登板。8イニングを投げ、5安打2失点、8奪三振3四球の内容でア・リーグトップタイとなる9勝目を挙げた。2回に相手投手に先制の2点適時打を許すなど不安定な立ち上がりだったが、3回以降に持ち直し、8回まで“完封”。メジャー移籍後初めて打席にも立ち、初安打も記録した。次回登板は26日(同27日)のタイガース戦。不敗の本拠地で10勝目を目指す。

 今季最多122球の熱投は、ダルビッシュが“おとこ気”を見せた証しだった。

 実は、3回を投げ終えた時点で53球と多くの球数を費やしていたダルビッシュは、ワシントン監督とマダックス投手コーチの元に出向き、「9回でも、150球でも投げるから、今日は球数を考えないでくれ。(マウンドから)降ろすなら投球内容で判断してくれ」と志願していた。意地でも早い回でへたれるわけにはいかなかった。

 「日本でも120球、130球は当たり前。去年も9回に(球速)155キロとか投げていた」。スタミナに絶対の自信を見せる右腕は8回も150キロ台の直球を連発するなど“有言実行”の投球。そのすさまじいまでの気迫に、マウンドから降り、ベンチに向かう際には敵地にもかかわらず、観客席から称賛の“ユーイング”が巻き起こった。

 序盤は制球に苦しんだ。1回には2四球で自らピンチを招き、2回には2死二、三塁から相手投手バスに高めに浮いた直球を一塁線に運ばれ、先制の2点を許した。

 それでも25歳の右腕は冷静そのもの。「体がだんだん温まって、自分でも思うように動いていった」。シンカー主体の投球に切り替えた3回以降は制球も定まり始め、トータルで考えれば、文句のつけようがない内容。ベンチでダルビッシュの投球を見守ったワシントン監督も「3回以降は素晴らしい投球だった。一度調子をつかんだら、あとは順調にストライクを奪っていった」と中盤から見事に立ち直った右腕に満足そうな表情を浮かべた。

 ア・リーグトップの勝ち星に並んだダルビッシュだが、「準備をしっかりしないと簡単にやられる。これからも準備を怠らないようにしたい」と気の緩みはみじんもない。5月6日のインディアンス戦から続いていた敵地での連敗も4で止めた。もうこの男の行く手を阻むものは何もない。

 

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