身近な図書館へ
図書館と聞いてどんなシーンを思い浮かべますか?
私の場合は、夏休みの宿題、読書感想文です。近所の図書館に行って、本を選び急いで読んで感想文を仕上げたものでした。短時間で読める芥川龍之介の「鼻」なんて、助かりましたね。さっさと書き上げて帰ろうとすると、顔見知りの図書館員のお姉さんが「竹内くん、借りていかないの?」「うん、もうできたから」「あら〜、早いわねえ」の声を背に、いそいそ遊びに走ったものでした。
図書館って、消極的に義務感のようなもので行った記憶はあるけれど、積極的に行くところじゃなくて、固くて暗いイメージがありました。
先日、お酒を飲みながらテレビを見ていると、10時過ぎにこんなふうなコメントが流れてきました。
「私たちはどこに向いているのか、という話ですよ。市民に向いてやっていく。それがよかったか悪かったかは、選挙のときに問えばいいんですよ」
興奮気味に話すのは佐賀県武雄市市長。
図書館の運営について、全国でCD・DVDレンタル店「TSUTAYA」約1400店を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブに指定管理者として委託、これまでに類を見ない図書館を来年4月からスタートさせる、という法案を市議会で説明している様子の一部でした。
斬新!
「地域の文化が向上しないと元気にならない。図書館を起爆剤に地方から文化を創っていきたい」
思えば、電電公社がNTTになり、日本専売公社がJTになり、日本郵政公社がJPになり、民間へのシフトが続いている時代です。希望者には、ツタヤが実施しているTポイント制も取り入れ、一角で雑誌や文具の販売、カフェダイニングも併設。開館時間も午前9時から午後9時まで、年間無休。
これでサラリーマンの図書館利用も増えることでしょう。いいことずくめだと思うのですが、民間に委託すると個人情報が漏れるかもと反対してる人たちもいるとか。
漏れるときは民間だろうがどこだろうが漏れる例をいくつも見て来た身としては説得力に欠けます。
ネット時代の図書館の役割を考えれば、その場でこそ存在価値のあるブックランド、本を媒介にしたコミュニティスペースがこれからの図書館の役割では。ひょっとして反対する人は、ツタヤ、TSUTAYAの表記が軽々しいのが不満なのかも。でも、もはや図書館という響きもどうなの? 大使館じゃないんだから。
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