紋について
千葉神社は二種類の紋を有しております。
そのどちらも御祭神・妙見様の差配する御力を現していると伝えられています。
神紋 『三光紋』 (月星紋)
正式には神紋・三光紋(さんこうもん)という名称ですが、一般には別名・月星紋(つきぼしもん)として広く知られています。
この紋の意味するところは、北極星(つまりは妙見様)の差配される星々の中で大きな力を持った太陽と月、
そしてその他の諸星を示した日・月・星の三つの光を現した紋であり、
外輪部だけを見れば「太陽」となり、右下部分だけ見れば「三日月」となり、月を隠せば左上の「星」が残ります。
社紋 『九曜紋』 (十曜紋)
中央の大きな星の周りに九つの小さな星が配されている紋で、正式には社紋・九曜紋(くようもん)という名称ですが、
一般には全て数えると星が十あることから十曜紋とも呼称されます。
この紋の意味するところは、中央の北極星(つまりは妙見様)が差配される星々を現していると言われ、
九つの星の意味には三つの説があると言われます。
第一の説は、古代の代表的な天体であった太陽・月・北斗七星の九つの星とする説。
第二の説は、日曜星・月曜星・火曜星・水曜星・木曜星・金曜星・土曜星・計都星(けいとせい)・羅喉星(らごうせい)
という易学で分類される九つの星とする説。
第三の説は、九星気学での人間の運命星(一白水星・二黒土星・三碧木星・四緑木星・五黄土星・六白金星・七赤金星・八白土星・九紫火星) の九つの星とする説です。
紋の変遷
千葉を治めた千葉氏の惣領家が妙見様の御本霊を篤く信仰していた事から、
その本城で御本霊をお祀りする一方で、千葉氏は支配地域の各所に妙見様を祀るお社を設けました。
また、千葉氏の一族が鎌倉幕府の有力御家人として活躍する中で得た東北地方や九州地方の領地には、
千葉氏の分家筋が支配に赴くと共に、妙見様の御分霊を戴いて本家と同様にお祀りしたとされます。
現存するところでは、福島県相馬地方に残る「相馬の野馬追」は千葉氏の支族・相馬氏が一族の守護神である妙見様に馬を奉納する神事がその始まりです。
当社が一般的な九曜紋と区別されて一つ星が多い十曜紋であることが、妙見信仰の頂点に立つ本宮の証しとされています。分家・分社に際しては、妙見様の御本霊と御一緒にはできないという畏敬の念から、
三光紋を変形させたり、九曜紋の周りの星を減じたと伝えられています。星を減じていない当社の十曜紋こそが、本来の「妙見様の差配する御力」を現していた紋であります。