東京電力福島第一原発事故に伴う除染について、平野達男復興相は17日、福島県浪江町の馬場有町長と同県二本松市で会談し、「除染技術の限界も明らかになった」とするモデル事業結果を伝えた。
それによると、2分半の道路の除染で空間放射線量が約3分の2まで下がるものの、以降はほとんど除染効果がなかった。住宅でも、屋根や壁の拭き取りなどで下がった割合は19〜66%とばらつきがあることなどから「同じ除染を繰り返しても効果はそれほど期待できない」とした。平野氏は面会後、記者団に「除染ですぐにでも(年間放射線量が)1ミリシーベルトまで下がるという誤解を政府が与えていたかもしれない」と限界を認めた。
一方で、国が除染基本方針で掲げている「1ミリシーベルト以下を目指す」との長期目標は維持する方針だ。ただ、その工程については「新技術の研究をする」(平野氏)として具体的道筋は示さなかった。
福島第一原発の破綻を背景に、政府、官僚、東京電力、そして住民それぞれに迫った、記者たちの真実のリポート