TPP交渉:日本、メキシコに出遅れ 広がる悲観論
毎日新聞 2012年06月19日 22時22分(最終更新 06月19日 22時24分)
一方、日米間の事前協議は出口が見えない状況が続く。11月に大統領選を控える米国側が票の行方を気にして慎重姿勢を見せているため。4日にロシアで枝野幸男経産相と顔を合わせたカーク米通商代表部(USTR)代表は、従来と同じ自動車、保険、牛肉の3分野への懸念を伝えただけで終わった。米農業団体は、日本のTPP参加に歓迎の声を上げており、経産省幹部は「米政府は、日本の参加を認めるか先送りするか、票が入るのはどちらかを見極めている」とみる。
日本国内の論議も進まない。政府が消費増税法案審議を最優先で進めているためだ。民主党経済連携プロジェクトチーム(PT)は5月上旬からTPPの集中審議を行っているが、意見がまとまる見通しは立たず、吉良州司PT事務局長は「党内には切羽詰まった感覚が今のところない」と嘆く。TPPは農業団体を中心に反対が根強く、党内分裂を避ける意味でも「TPPは後回し」(政府関係者)との見方が強い。