TPP交渉:日本、メキシコに出遅れ 広がる悲観論
毎日新聞 2012年06月19日 22時22分(最終更新 06月19日 22時24分)
オバマ米大統領は18日、メキシコの環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉参加受け入れを表明し、全交渉参加国が同意したことでメキシコの参加が固まった。以前から「メキシコに後れを取るのではないか」と警戒していた日本政府の不安は現実のものとなった。日本が年内にTPP交渉に参加するには、9月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で参加表明する必要があるが、国内外の課題は解決するめどが立たず、政府内には「年内参加は難しい」と悲観論が広がっている。
メキシコは18日開幕した20カ国・地域(G20)首脳会議の議長国。7月1日に大統領選が予定されている。カルデロン大統領率いる国民行動党の後継候補は苦戦しており、メキシコの現政権はTPP交渉参加を起爆剤に巻き返す意図がある。米国とメキシコ、カナダ間には94年に発効した北米自由貿易協定(NAFTA)があり、経済産業省担当者は「もともと自由貿易へのハードルは低かった」と冷静にみつめる。