琉球独立派友人からの手紙
私は沖縄の焼き物であるヤチムンが好きです。その鮮やかな藍の色彩、踊るようなグルクンの姿、素朴な手触り、まさに日本を代表する民窯です。
このウイグルの悲劇の稿を締めくくろうとした時に、年来の沖縄の友人からメールが来ました。彼は混じりっ気なしの琉球独立論者です。常に「俺は日本人ではない。琉球民族だ。文句あっか」といっている男です。その彼がこういってきました。了解を得て掲載させていただきます。
今回のウイグルの事件を俺ら独立派も注視している。沖縄は第2次琉球処分の時に(*明治国家成立直後の1879年、琉球国の廃絶、廃藩置県による沖縄県の成立のこと)、清国にすがる形で独立を保つ可能性があると思っていた。しかし、当時の琉球国の支配層には、独立を維持する能力がなく、結果として沖縄は中国領土になっていたかもしれない。
7月5日のウルムチの虐殺事件を見て、そうならなくてよかったと正直そう思った。中国の「琉球族自治区」などになった時に、俺たちのような沖縄の真の独立と自立を求める琉球独立派がどのような目に会うのかよく分かった。俺などとうの昔に監獄か、墓場行きだっただろう。しかも門中(*もんちゅう・一族郎党のこと)丸ごと連座してね。
今まで琉球独立派は、ヤマトしか見ていなかったと思う。ヤマトやアメリカに対する、基地や戦争への恨みと怒りを告発し続けることこそが、大事なことだと思ってきた。
それは間違っていないと思うが、眼が東に行き、距離的には本土より近い中国という巨大な存在を忘れていたことを、今回思い知った。
琉球独立派には、ヤマト・本土政府への反感から、どうしても中国へのシンパシーが潜在的にあったのは確かだ。ひと世代前の人など、いざとなったら中国人民解放軍に来てもらうさ、などと内輪では公然と言っていた人もいたしね。
俺はとんでもないことだと思うよ。今はまだ頭が混乱していてうまく言えないが、独立は他国の力に頼ってはダメだ。そんなことをすれば支配者を変えただけで、百年居すわられて奴隷にされる。独立は民族の魂だ。それを今回俺は,ウイグル人に教えてもらった。
ともかく俺ら琉球独立派も、ウイグルに平和と自由が来ることを心から祈っている。小さな声だが、沖縄からも届けと叫ぶ、フリー・ウイグル!東トルキスタンに自由を!
*本記事は事情により、メールそのままではありません。私がリライトしております。
■写真1・2 金城吉彦作 名工金城次郎さんのお孫さん。次郎さん一門の若手ですが、私はいちばん好きです。
■写真3 東トルキスタンの国旗である青天牙月旗 イスラム諸国を中心として抗議の声も高まっている。撮影者AP通信
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