医療ミス損賠訴訟:賠償請求を棄却−−地裁弘前支部 /青森
毎日新聞 2012年06月22日 地方版
帝王切開手術を受け後遺症が出たとして、五所川原市の女性医師(55)が07年5月、弘前市の健生病院に約1億円の損害賠償を求めた訴訟で、青森地裁弘前支部は21日、原告の請求を棄却した。野々垣隆樹裁判長は「当時の医療水準に照らして過失は認められない」とした。原告代理人は控訴する意向を示した。
訴状によると、医師は97年12月に帝王切開手術を受け、術後の血圧管理用カテーテルの挿入ミスで気胸と心不全が起き、体調不良から98年3月に常勤医の退職を余儀なくされたとして、逸失利益や慰謝料などの損害賠償を求めていた。
判決は、カテーテル挿入で気胸が生じたことは認めた一方、心不全は発症していないとし、原告の訴えを退けた。【松山彦蔵】