逮捕２日前も高橋容疑者堂々闊歩、市民は素通り

　１５日に逮捕されたオウム真理教の元信者・高橋克也容疑者（５４）の横浜市鶴見区での逃亡中の様子を防犯カメラが捉えた画像を、本紙が独自に入手した。画像は逮捕される２日前の１３日午後にＪＲ鶴見駅前の商店街を歩いているものなどで、似顔絵や防犯カメラの画像が次々と公開され、厳重警戒されていた中で、通行人にも全く気付かれずに、何食わぬ顔で通りを歩く高橋容疑者の様子がリアルに伝わってくる。

　白いシャツを着て、自動販売機の前を歩いている画像は、１３日午後６時半ごろのもの。ＪＲ鶴見駅西口から歩いて５分程度の豊岡町内だ。この時には、すでに川崎市内のショッピングセンターで購入したキャリーバッグは鶴見駅前のコインロッカーに保管しており、小さな黒いバッグを持っている。

　高橋容疑者はバス通りから細い路地に入り、自動販売機を少し眺めて、買うか買わないかを考えるようなそぶりを見せている。結局は何も買わずに、またバス通りの方へ戻っていった。映像で見るだけでも、多くの通行人が高橋容疑者とすれ違っているが、通行人が不審に感じている様子は全くない。そして、高橋容疑者は臆することなく、堂々と素顔をさらしながら普通に歩いている。２分後にも、近くの場所に高橋容疑者は現れた。

　同じ場所を行き来する姿は、ほかの日にも確認されている。菊地直子容疑者が逮捕され、川崎市の社員寮から逃走した４日には、紺色のシャツ姿でＪＲ鶴見駅に近いバスターミナル付近を歩いている。６日午後５時頃には同じシャツ姿で茶色いバッグを持ち、薬局に入るところが確認された。同じ辺りを何度も行ったり来たりしている。同日の午後７時４５分頃には、交通量が少なくなった交差点を横断している様子も映し出されていた。

　とても逃亡犯とは思えないような様子で防犯カメラに映っていた高橋容疑者。だからこそ、怪しまれずに１７年間も逃亡できたということだろうか。この姿が高橋容疑者だと分かったのは、逮捕後のこと。そこに防犯カメラの威力と弱点が交差している。

（2012年6月22日06時02分スポーツ報知）