八重樫、王座奪回に意欲「はい上がっていく姿を見せたい」

両まぶたを大きく腫らし会見した八重樫

　日本初のＷＢＣ、ＷＢＡ世界ミニマム級統一王者・井岡一翔（２３）＝井岡＝が八重樫東（２９）＝大橋＝戦から一夜明けた２１日、大阪・浪速区の井岡ジムで会見し、次戦で世界２階級制覇を狙うと宣言した。

　頂上決戦で井岡に惜敗し、八重樫は「悔しい思いが出てきた」と無念さをにじませた。腫らした両まぶたは右目が辛うじて見える程度。痛々しい顔を見た長女の志のぶちゃん（１）には泣かれた。

　ベルトは手放したが、ファンの心はつかんだ。ＴＢＳには試合後から２１日午後までに視聴者から異例の３００件超の意見が寄せられた。「気持ちが伝わった」「王座返り咲きに期待」など半数以上の約１７０件が、八重樫への感謝や激励を示す内容だった。さっそくＴＢＳの他番組の出演話が浮上するなど、知名度も上げた。

　王座奪還へ今後は１、２階級上となるライトフライ、フライ級への転向も視野に入れ、世界再挑戦のチャンスをうかがう。「はい上がっていく姿を見せたい」と悲壮感はない。「たこ焼きを食べて帰ります」。敵地・大阪のファンも味方にした不屈の男は、しばらく羽根を休める。