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【格闘技】

井岡一翔がミニマム級王座統一 八重樫破り日本人初

2012年6月21日 紙面から

統一王座に輝き、ファンの声援を受けて引き揚げる井岡一翔=ボディメーカーコロシアム

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◇WBA・WBC世界ミニマム級王座統一戦

 日本初のWBC、WBA世界王座統一戦で、WBC王者の井岡一翔(23)=井岡=がWBA王者の八重樫東(29)=大橋=を判定3−0で破った。井岡はWBC3度目の防衛。井岡は的確にパンチを当て、強打の八重樫を振り切った。序盤から激しく打ち合う死闘に、満員の8700人にふくれ上がった会場は熱狂した。試合後、井岡は5日前に体調不良で発熱していたことを明かした。日本のジムに所属する男子の現役世界王者は7人となった。 

 強かった。エリートの井岡が苦労人・八重樫の野望を打ち砕いた。地元開催、しかも下馬評でも有利というプレッシャー、そして試合前のアクシンデント。それら全てを力に変えた。

 「実は一瞬、運に見放されたかと思ったんです。今朝起きたら、体調が100%じゃなかった。でも、これも、運命と思うことにした。言い訳になりませんから」

 試合後、井岡が告白した。5日前、へんとうに炎症を起こし、38度の熱が出た。決戦の日の朝も、体調は完全には戻っていなかったという。

 死闘となった。パンチの有効打で、1回に八重樫の左目上、3回に今度は右目上がはれた。しかし、八重樫のゾンビのような逆襲を食らう。4回終了後の採点は3者ドロー。

 「焦る気持ちはありました。でも、気持ちの勝負だと思った。打ち合いでも負けたくなかった。自分もパワーのあることを証明したかったから」

 5回以降も一進一退の攻防。7回、両目の状態がひどい八重樫に2度目のドクターチェックが入った。井岡はその時「正直、ドクターが止めてくれへんかな」と思ったという。8回終了後の採点は2人が井岡リードで1人が八重樫リード。見た目以上に点差が開かない。

 「八重樫さんの底力が想像以上で、何度も心が折れかけた。これまで何度もリングの上で弱音を吐いてきたけど、今日は勝負の鬼になれたと思う」

 元世界2冠王者井岡弘樹のおいで、高校6冠、国内最短のプロ最短の7戦で世界奪取。そして、日本初の統一世界王者。サラブレッドともエリートとも天才とも言われる。

 「メディアの方にいろいろ言われるけれど、その役を演じていこうと思う。勝ち続けることで、それが正解になる。これからも、立ち止まることなく、走り続けたい」

 減量が限界にきていて、ミニマム級は卒業。年内に1階級上のライトフライ級で2冠を目指すことが濃厚。32戦全勝27KOの怪物ローマン・ゴンザレス(25)=ニカラグア=への挑戦も取りざたれる。有言実行・井岡の新たなチャレンジが始まる。 (竹下陽二)

 

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