イチロー２５００安打！！　現役最速１８１７試合目

　【フェニックス秋野未知】マリナーズのイチロー外野手（３８）は１９日（日本時間２０日）、当地でのダイヤモンドバックス戦で１回の第１打席に中前安打を放ち、日本人選手初のメジャー通算２５００安打を達成した。１８１７試合での達成は現役最速、１９００年以降では歴代４位のスピード記録。この日は日本での開幕戦以来となる今季２度目の４安打のほか、２打点、２得点と活躍。チームは延長１０回の末１２−９で勝利した。

　区切りの数字に到達したのは、プレーボールからわずか３球目だった。内角の９３マイル（約１５０キロ）直球に詰まりながらも、打球は中前にポトリ。敵地ながら電光掲示板でメジャー通算２５００安打の達成が告知される。起立して拍手を送るファンもいた中、一塁上のイチローは厳しい表情で無反応だった。

　「ちょっと遅いけど、きょうは４本（安打）だから何となく形になった」。淡々とした口調で笑みを浮かべ、「感慨深いものがある」と評した。というのも、メジャー２年目の２００２年に「野球が一番うまい」と尊敬するロベルト・アロマー二塁手（当時メッツ）が２１３３試合目で２５００安打を達成。そのとき、「とんでもない数字だなと思った」という。その殿堂入りした先達より３００試合以上も早く２５００安打に到達した。

　今季は開幕から座った３番で結果が出せず、６月から１番に戻された。さらに前日は「本当に悔しい」と語った今季２試合目の“強制休養”。シアトルタイムズなど地元メディアが不要論も展開した逆境の中、記録達成と同時に開幕戦以来の４安打と爆発した。

　これで日米通算３７８１安打とし、ピート・ローズ（元レッズ）が樹立したメジャー記録の４２５６安打まであと４７５安打だ。「今まで打って来た２０００何本というヒットが、今日の試合には何の役にも立たない世界だから、そんなに気持ちいい瞬間なんて本当に一瞬しかない」。一瞬の気持ち良さを積み重ねてきたその先に、前人未到の高みが見えてきた。