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民主造反70人か 首相「ノーサイド」でも

 消費税増税法案の衆院採決に対する民主党内の反発が20日、急速に拡大した。小沢一郎元代表に近いグループ(衆院約80人)は60人近くが造反の構えで、中間派の一部も同調するとみられる。造反→除名か離党になれば民主党は少数与党に転落、政権は弱体化する。野田佳彦首相は両院議員懇談会で結束を呼び掛けたが、党分裂は避けられない状況だ。一方、民主党は野党に9月8日まで79日間の大幅会期延長を提案、解散先送りとの疑念も出ている。

 民主党分裂へのカウントダウンが、始まった。野田首相が消費税増税法案を衆院で採決しようとしていることにこの日、反発の動きが一気に拡大した。日刊スポーツの取材では、小沢グループで50~60人が反対する構えで、小沢氏自身も造反の意向を固めた。大半は賛成に回るとみられる中間派(100人超)の一部でも造反の動きがあり、欠席や棄権がさらに増えれば、70人規模になる可能性もある。小沢氏に近い鳩山由紀夫元首相の動向も、影響を与えそうだ。

 19日の会合で、前原誠司政調会長が一方的に了承を得たと宣言したことも、態度硬化の一因だ。党内議論を封じ込めてでもという執行部の動きが、党内感情をさらに悪化させている。

 法案は自民、公明、国民新党が賛成に回るため衆院通過は確実だが、造反者が50人を超え党を離れれば、民主党は289人から239人となり、党として過半数を割り込む。野党が内閣不信任決議案を提出すれば、可決の可能性もある。小沢氏らは、離党→新党結成も視野に入れており、解散総選挙になった場合は「増税反対」を貫いた方が有権者にアピールできるとの読みもある。ただ、票読みは小沢VS首相サイドの情報戦になっている側面もあり、「数の力」が頼みの小沢氏は、水面下でグループの引き締めを図っている。

 追い詰められている野田首相は20日夕の両院議員懇談会で、「昨年の代表選が終わった後『ノーサイドにしましょう、もう』と言った気持ちは変わらない。みんなで乗り越えられる政党をつくりたい」と呼び掛けた。「増税は公約違反だ」「党分裂なら責任をとってほしい」とつるし上げられたが、「党を割るつもりはない」と強調した。現段階での採決に否定的な田中真紀子元外相に「自分は(首相を)辞めてもいい、それでも(消費税を)上げる必要があるともう1度説明するくらいの覚悟がないとだめだ」と迫られた時は、「泣きそうな表情をしていた」(真紀子氏)という。

 [2012年6月21日8時38分 紙面から]







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