海自自殺控訴審:国、「不存在」文書7点の存在認める
毎日新聞 2012年06月18日 21時13分(最終更新 06月18日 22時59分)
海上自衛隊横須賀基地の護衛艦「たちかぜ」勤務中に自殺した1等海士(当時21歳)の遺族が国などに賠償を求めた訴訟の控訴審口頭弁論が18日、東京高裁(鈴木健太裁判長)で開かれ、国側は原告側の情報公開請求で「不存在」としていた関係文書7点について、新たに存在を認めた。
一方、元指定代理人の3等海佐(45)が存在を明かした「艦内生活実態アンケート」結果については「破棄した」との主張を崩していない。高裁は3佐の証人尋問の採否を次回(9月12日)以降の弁論に持ち越した。
原告側は提訴前、自殺に関する全文書の情報公開請求をしたが、国側はアンケートの質問内容だけを開示。これに対し3佐は陳述書で「アンケート結果を含め大量の文書が存在する」と指摘した。
この日の弁論で国側は、3佐の指摘のうち(1)自殺後に遺族をたちかぜに招いた時の報告(2)直前に酒を飲んだ際に1士が自殺を示唆したとする同僚の説明(3)1士に対する恐喝についての元2等海曹への聞き取り−−などについて存在を認めた。