相田寓言 (6/21) Don't be evil!(邪悪になるな!) 読売新聞の出版妨害事件について思う
スラップってのはSLAPP (Strategic Lawsuit Against Public Participation)の頭文字をとったもの、要するに嫌がらせ訴訟を指す言葉だ。近年では、武富士の嫌がらせ訴訟とか、オリコン・烏賀陽裁判が代表例。
今、武富士・オリコンに次ぐ、将来必ず、3大スラップとして歴史に残るであろう、歴史的な言論妨害事件が進行中だが、日頃言論の自由だ何だぶっこく ジャーナリスト共は総じて腰抜けゆえに殆ど語らない、ゆえに知らない人が多い、なのでジャーナリズムとは無縁のキチガイな俺が書く。
端的に書くと、読売新聞が3つも訴訟吹っ掛けて出版を妨害している。読売は出版妨害ではないといっていますけど。 まぁ、どっちの主張がしっくりくるかは以下を読んでくれ。これ、とんでもねぇ出版妨害事件ですぜ。
経緯について、七つ森書館はWEBで丁寧に書いているのだが、いかんせん裁判モードゆえに面白みに欠ける。一体全体何がおこっていたのかについて、わかりやすく以下に示す。文芸ってのは面白くなきゃいけませんよと坂口安吾先生もいってますしね。
10年以上前なんだけど、『会長はなぜ自殺したか──金融腐敗=呪縛の検証』と いう、バブル崩壊後の第一勧銀不祥事を中心に、政官財とヤクザとの濃密な闇について書いた、すんげぇ秀逸なノンフィクションが、読売新聞社会部の手で編ま れ、新潮社より発刊された。これ自分も持ってますが、ほんと歴史的な名著ですよ。第一勧銀会長、日銀理事、新井将敬、など6名が自殺、45人が逮捕、83 人が辞任・・・日本の金融史上最大の事件です。その名著を 七つ森書館 という本郷界隈にありがちな、ちっこい出版社が、秀逸なノンフィクションのシリーズ本の一つとして、復刊しようとしたんだな。シリーズには
『越山 田中角栄』佐木隆三:著
『松下幸之助の昭和史』立石泰則:著
『サーカス村裏通り』久田恵:著
『ストロベリー・ロード』石川好:著
と蒼蒼たるノンフィクションの名著が並ぶ。いい仕事してますね、七つ森書館。装丁も晩聲社の『ルポルタージュ叢書』っぽくてカッチョいい!
んで、著作権のある読売新聞と交渉して去年5月に出版契約書もかわして、さぁ出版だというところで・・・去年11月、この本書いた中心人物の清武さんが、ナベツネをディスったんだな。そしたら、読売新聞は本出すなっていいはじめたんだ。
読売がまず何をしたかってぇと、金300万円出すから出版やめろってさ。でも、こんな小さい出版社で、反原発とかやっている奴が金に転ぶようなタマか よ。逆にいやぁ、金で転んでいたゲス相手に商売してたってことなんだろうけどもな。ああ、こういうのが裁判絡みで公表されるってホント恥ずかしい話だ ねぇ。
次に、ハンコが違うから契約成立してないって言い出した。いっとくけど契約交わしたのって半年前ですぜ・・・。出版契約書に読売新聞って社判捺して、 10年前この本を書いた印税配分者9人の一人である報道部次長(清武ではない)のハンコもあるんだけど、これが部長だか局長じゃなきゃイカンそーなん だ。ってそりゃ、君んとこの事情でしょ。そもそも契約結んだのは昨年5月、それから半年以上たって何ゴネてんの?
ってーことは、次長とやらが勝手に社判持ちだして契約書つくるわけぇ??? いったいぜんたいどういう社判の管理なの読売新聞??? なんか経緯聞く と、ちゃーんと読売新聞の法務部と次長、相談の上で契約結んだそうだけど、この契約に関わった勝手に社判だハンコ捺す次長(今は北海道支社編集部長)や、 見過ごした法務部連中、社判管理していた総務部、半年以上ほっといた関係者は当然クビだよなw え? まだいるの? なんで?
次に、著作権違反だと言い出した。契約書では執筆者各位に印税いくそーなんだけど、著作権は新聞社にあるそーだ。そして目出度くこの主張が認められて、 出版禁止の仮処分を東京地裁は下した。ということは、もう読売新聞の記者は、自由闊達に記事書いて本だせねぇな。楯突いたら本だせねぇんだから生涯会社の 犬さ。犬が良い記事書けるわけねーよ。一生、誰かのゴキゲン伺う提灯記事か感動青汁ドラマの脚本でも書いてろってことだろうさ。
次に、この本は仮処分申請したから売るなと、書籍取次や大手書店に文書配布・・・。まだ仮処分も決まっていない時点ですぜ? お前は裁判所か。
次にこの本を刷った印刷所に重版出来るの?など至極アッタリマエなこと、読売新聞社員が直で聞きに行き、「印刷所は何時でも重版出来る体制」と裁判所で言う。こんどは印刷所相手にスラップ仕掛けるつもりなんすかね?
次に、この本は”事件関係者のプライバシーや心情を考慮”なんで出すなってさ。お前・・・もうヨミダス文書館とか新聞縮小版とか出版するのやめちまえよ (笑 歴史的な事実だろうに、きちんと歴史に向き合えば傷つく人いるにきまってんじゃねーか。それより10年前は人傷つけるのOKなんかい?何寝言いって んだこの新聞社は? そもそも戦前は三原山で連日自殺報道してブームを煽り、70年代後半高島平団地でさんざん何人目と他の新聞がやらない住所入りで毎回詳細な自殺報道して連鎖自殺煽って、新小岩駅でも自殺者何人目とナンバリングして連鎖自殺煽るような報道被害全開バリバリな新聞のくせに何言ってんの、お前は説教強盗か?
そして契約無効だと裁判、著作権違反だと裁判、名誉権だと裁判、って3つも訴訟起こしてんだぜ。スラップというしかないだろコレ・・・正気の沙汰じゃねぇよ。
これさぁ、朝日のサンゴ以上にトンデモねぇことなんだぜ。いや、日本の新聞史上、最悪の事件だ。日本一の大新聞社が、なりふり構わず、ちっこい出版社の初版推定3千部程度の本の出版妨害してんだからな。
そして、こんな異常な事態に、内部から「おかしい」って言えない時点で、読売新聞は、もう言論機関として死んだんだよ。社会正義も倫理も、言論の自由も、表現の自由も、出版の自由も、読売新聞のWEBに載せている崇高な理念の数々も、 たった一人の裸の王様に怯えて、誰も口に出せない時点で、読売新聞は聖教新聞と同じレベルなのさ。誰かの顔色伺うメディアなど誰が信用するかい。ああ、こ いつらの書く記事は300万程度の金でねじ曲げられる真実なんだろうってね。100年以上培った歴史がたった一人の裸の王様の愚行で信頼瓦解してんだぜ。 失った信頼を取り戻すことは容易ではないだろう。いや、もう無理か・・・。これって偏向報道よりヒデェよ。
さらにジャーナリズムの世界でも裸の王様に怯えて、誰も真正面から歯向かおうってやつがいねぇ。全員、読売新聞の御威光に恐れをなして知らんぷり決め込 んでんだぜ。噛み付くのは俺みたいなキチガイくらいって、一体全体日本の言論はどーなってやがんでぇ?ほんと狂っているぜ。
そりゃあ変態毎日新聞とか中共広報誌朝日新聞、ウヨ産経、反米沖縄タイムス、主義主張偏向はそれぞれあってアッタリマエさ。でも、すべてのメディアに共通しているのは・・・そういう偏向報道すら、出版の自由、報道の自由という生存権に保障されているってことだ。
俺なんか、日頃の言動みりゃ分るだろうけど、右翼的な人間だから、七つ森書館の左翼臭い本は大嫌いさ。清武のウジウジしたナベツネ告発も俺の美学ではまったく受け入れられない醜い馬鹿げたもんだ。だけど、俺の偏向した書き込みもまた、表現の自由を謳歌するゆえで、偏向している自分を自覚しているからこそ、他人の偏向もまたヨシなんだ。 人は人、自分は自分さ、でも仲良しになれるんだぜ。なれずとも無視する。けして滅ぼそうなんざ思わないさ。(なんか俺知り合い左翼多いんだよな・・・主義 主張は違えどもカッチリした意見を持った奴大好きだからね。)
そして、出版の自由と同時に、批判もまた自由なんだ。おれのこの文章だってそうさ。くっひーお前の意見は違うって正々堂々いやぁいい。メールでも掲示板でもツイッターでもミクシィでもどーぞ。でも、裸の王様のやっていることは、気に食わないから裁判起こしてやる、文章消してやるって、20世紀のディストピアなSF小説かよ。時代錯誤も甚だしい。
昭和のように情報を独占し、操作出来ると夢想しているのだろう。でも、こうしてネット上で批判の声はどんどん上がる。この文章も永遠にコピーがネット上に存在するだろう。けして消すことは出来ない時代なことにまだ気付いていない。
このニュースを聞いて、まず心に浮かんだのは題名に書いたグーグルの言葉さ。 Don't be evil. 邪悪になるな。それは違いますよ主筆!、とビビって言えないような犬っころ記者が書く新聞なんか誰が読むんかい?
平成24年6月21日記 相田くひを@どういうことだ・・・俺が月に2回もHP更新するなんて・・・