論文『音象徴の機械学習による再現:最強のポケモンの生成』まとめ


タイトルは『音象徴の機械学習による再現:最強のポケモンの生成』ですが、そもそも「音象徴」とは何か? 音象徴とは、音と指示対象の連想関係のこと、らしいです。ポケモンの場合は、「なんか名前的に強そう」とかそういう話になります。


論文中では、ブーバ/キキ効果の人が引用されてます。皆様ブーバ/キキ効果はご存知ですか?



上の画像、どっちかが「ブーバ」でどっちかが「キキ」です。さあどっちでしょう?


こう聞くと、大多数の答えが一致します。不思議ですね。(画像は wikipedia から。)このような音と図形の連想関係をブーバ/キキ効果と言う、という話です。今回はこれを、ポケモンの名前とその強さ、について考えます。


ポケモンの名前と強そう感に連想関係があるのか?


彼らは、ポケモン全然わかんない人を8人呼び出し、「ねえベロリンガとルージュラどっちが強そう?」みたいなことをそれぞれ300件聞きました。そして、人によってどっちが強いかって判断は異なるにせよ、7割程度は一致するという結果を得ました。


すごい実験ですね


そのあと結果を分析します。


どうやら母音は /u/, /e/ が、子音は /d/, /g/, /r/, /s/, /j/ が強そう感に影響を与えることがわかるっぽいです。


さあ、ここから、彼らは最強のポケモンを作り始めます。


まず、先ほどの実験で強そうと判断されたポケモンの名前を抽出します。そして、1文字をランダムに変更します。それを機械に、強そうかどうか判断させます。どうやら強そうだと判断されたら、また1文字をランダムに変更します。これを繰り返すことにより、ポケモンの名前はどんどん強くなってゆきます。


同様にして最弱のポケモンも作ることができます。


そして得られたポケモン群が以下です。




最強ポケモン | 最弱ポケモン

ロフスムパ | ピゼシニボ

ズルプケミ | ニツサヌザ

デアイゼズ | ミツズヌモ

クキメパヂ | メツテハプ

ダドェイフ | ピンズリホ

ブラセミグ | ナゾケモシ

タトジゴク | ナナパモツ

グテネミバ | ダナパォツ

ヅラナミグ | ムテスンシ

ゾラセクト | フゾポボフ


最強のポケモン・最弱のポケモンできました。やったね!!


…ううん、分かる気もする?


「ゾラセクト」強そう。「ダナパォツ」弱そう。パォ。


以上、これで終わりです。


以下のことがわかりました。



人間が文字から受ける印象は7割程度共有される

それを機械でも7割程度再現できる

強そうな子音、母音はどうやらそういう先行研究の結果と一致する

強そうなポケモンが作れる

素晴らしい研究ですね。僕もこういう研究して孫に自慢したい。


論文本文のダウンロードはここからできます。



http://luululu.com/paper/2012/C1-1.pdf


{ソース・画像}論文『音象徴の機械学習による再現:最強のポケモンの生成』まとめ



http://parosky.net/wordpress/?p=975


マンガで使われる擬音語・擬態語の効果とは?



http://newnews2ch.com/archives/1638079.html




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