音象徴で名前の印象が変わる 最強のポケモンの名前を生成
6月 20
引用アニメ, 研究・開発, 考え方, 論文No Comments
論文『音象徴の機械学習による再現:最強のポケモンの生成』まとめ
タイトルは『音象徴の機械学習による再現:最強のポケモンの生成』ですが、そもそも「音象徴」とは何か? 音象徴とは、音と指示対象の連想関係のこと、らしいです。ポケモンの場合は、「なんか名前的に強そう」とかそういう話になります。
論文中では、ブーバ/キキ効果の人が引用されてます。皆様ブーバ/キキ効果はご存知ですか?
上の画像、どっちかが「ブーバ」でどっちかが「キキ」です。さあどっちでしょう?
こう聞くと、大多数の答えが一致します。不思議ですね。(画像は wikipedia から。)このような音と図形の連想関係をブーバ/キキ効果と言う、という話です。今回はこれを、ポケモンの名前とその強さ、について考えます。
ポケモンの名前と強そう感に連想関係があるのか?
彼らは、ポケモン全然わかんない人を8人呼び出し、「ねえベロリンガとルージュラどっちが強そう?」みたいなことをそれぞれ300件聞きました。そして、人によってどっちが強いかって判断は異なるにせよ、7割程度は一致するという結果を得ました。
すごい実験ですね
そのあと結果を分析します。
どうやら母音は /u/, /e/ が、子音は /d/, /g/, /r/, /s/, /j/ が強そう感に影響を与えることがわかるっぽいです。
さあ、ここから、彼らは最強のポケモンを作り始めます。
まず、先ほどの実験で強そうと判断されたポケモンの名前を抽出します。そして、1文字をランダムに変更します。それを機械に、強そうかどうか判断させます。どうやら強そうだと判断されたら、また1文字をランダムに変更します。これを繰り返すことにより、ポケモンの名前はどんどん強くなってゆきます。
同様にして最弱のポケモンも作ることができます。
そして得られたポケモン群が以下です。
最強ポケモン | 最弱ポケモン
ロフスムパ | ピゼシニボ
ズルプケミ | ニツサヌザ
デアイゼズ | ミツズヌモ
クキメパヂ | メツテハプ
ダドェイフ | ピンズリホ
ブラセミグ | ナゾケモシ
タトジゴク | ナナパモツ
グテネミバ | ダナパォツ
ヅラナミグ | ムテスンシ
ゾラセクト | フゾポボフ
最強のポケモン・最弱のポケモンできました。やったね!!
…ううん、分かる気もする?
「ゾラセクト」強そう。「ダナパォツ」弱そう。パォ。
以上、これで終わりです。
以下のことがわかりました。
人間が文字から受ける印象は7割程度共有される
それを機械でも7割程度再現できる
強そうな子音、母音はどうやらそういう先行研究の結果と一致する
強そうなポケモンが作れる
素晴らしい研究ですね。僕もこういう研究して孫に自慢したい。
論文本文のダウンロードはここからできます。
http://luululu.com/paper/2012/C1-1.pdf
{ソース・画像}論文『音象徴の機械学習による再現:最強のポケモンの生成』まとめ
http://parosky.net/wordpress/?p=975
マンガで使われる擬音語・擬態語の効果とは?
http://newnews2ch.com/archives/1638079.html
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