大飯原発で警報 公表半日後で謝罪6月20日 12時19分
関西電力大飯原子力発電所の3号機で、19日夜、発電機のタンクの水位が下がったことを示す警報が作動しました。大飯原発3号機では、今月16日、発電に向けた準備作業が始まったばかりですが、関西電力がトラブルを発表したのは半日後で、国の原子力安全・保安院は発表の遅れを謝罪しました。
関西電力によりますと、大飯原発では、19日午後9時50分ごろ、3号機の発電機を冷やすための水をためるタンクで、水位が下がったことを示す警報が作動しました。
このため、作業員がタンクを調べたところ、水漏れは起きていないものの水位は通常より5センチほど低かったということで、関西電力は、今後、水位が通常より5センチ高く保たれる対策を取ることにしました。
大飯原発の3号機では、今月16日、政府の運転再開の決定を受けて、発電に向けた準備作業が始まったばかりで、国も検査官が中央制御室に常駐し、事故やトラブルが起きた際、迅速に対応するための「特別な監視体制」を取っています。
しかし、トラブルが発表されたのは発生からおよそ13時間がたった20日午前11時でした。
関西電力は公表の遅れについて「法令では公表するレベルではないので、昨夜は発表しなかった」と説明しています。
これに対し、原子力安全・保安院の森下泰統括管理官は、地元、福井県おおい町で記者会見し、「自分の判断ミスで発表が遅れ、申し訳ない」と謝罪しました。
関西電力は20日昼前には「今後は同じ程度のトラブルが起きても即座に公表しない」ととしていましたが、午後になって福井県内で会見し、今回と同じようなトラブルがあった場合には速やかに公表する方針を示しました。
また、福井県の西川知事は「必要な情報を広く迅速に国民に知らせることが重要で、保安院は特別な監視体制の意味を認識し、しっかり対応してほしい」というコメントを発表しました。
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