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中国の脅威がこの上なく高まっている今日に至ってもなお、「動的防衛力」などという得体のしれない概念を振り回してまで防衛力の強化を阻止する理由は一体どこにあるのか。
60年余にわたる戦後体制の継続とその拘束によって、このように歪んだしまった我が国の防衛政策を正し、真面な防衛努力に転換する時間的余裕は残されていない。
戦略の主要な属性の1つは、「相対性」にある。我が国の安全保障あるいは防衛は、複雑な国際安全保障環境、なかんずく脅威対象国の動向や同盟国との共同のあり方などによって左右される。財政問題などの国内事情だけで律する訳に行かない国家存立に係わる死活的問題である。
米国は、昨年夏の債務危機以来、否応なしに更なる国防費の削減を強いられているが、中国の脅威に対抗するためアジア太平洋地域における軍事的プレゼンスを何としても維持しようと決意している。
では、日本はどうする?
そのことを、自身の問題とは考えないのか。引き続き、財政主導に任せて、自国の防衛を疎かにし、東アジア周辺地域の平和と安定をも顧みないのか――。
もういい加減に、戦後体制の惰性からきっぱりと決別しなければならない。
そして、日本の「生存と安全を確保し、主権と独立を守る」ため、必要な防衛力を確実に整備するとともに、アジアの先進主要国として、本地域における紛争の未然防止と安全確保に応分の役割を果たす覚悟を固める時であろう。
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