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北九州市 がれき受け入れ表明
6月20日 15時53分

東日本大震災の被災地の宮城県石巻市のがれきの受け入れについて、北九州市の北橋市長は、20日、市議会で受け入れを表明し、西日本で初めてとなる被災地のがれきの広域処理が、8月にも実施される見通しとなりました。

北九州市は、市議会の全会一致の決議や細野環境大臣の要請を受けて、ことし3月から宮城県石巻市のがれきを受け入れるか検討を進めてきました。
20日開かれた市議会で、北橋市長は「広域処理の必要性や、安全・安心の確保、風評被害対策などを総合的に熟慮した結果、受け入れという判断に至った」と述べ、石巻市からのがれきの受け入れを表明しました。
議員たちが拍手する一方、傍聴席の市民などからは怒号が飛び交い、議場は騒然とした雰囲気に包まれました。
被災地のがれきの広域処理が西日本で行われるのは初めてとなります。
北九州市では、木くずを中心としたがれきを3つの施設で焼却処理したうえで、焼却灰は若松区の最終処分場に埋め立てる計画です。
受け入れるがれきの量は、年間で最大3万9500トンとしていて、再来年3月までに、6万トンから7万トン程度の処理が可能になります。
北九州市は、通常の廃棄物として扱われる放射性セシウムの濃度が1キロ当たり100ベクレル以下のがれきしか受け入れないとしていますが、住民の不安解消に向けて、焼却施設や最終処分場の周辺に放射線量を監視するモニタリングポストを設置する方針です。
北九州市は、来月の臨時市議会に必要な補正予算案を提出することにしていて、受け入れは8月にも始まる見通しです。

石巻市長“率直にお礼”

北九州市の北橋市長が宮城県石巻市のがれきの受け入れを表明したことについて、石巻市の亀山紘市長は、「北橋市長には電話で率直にお礼申し上げた。実際に石巻市に来て、がれきの状況や仮設住宅の住民の意見など、被災地の声を聞いてくれたその行動に驚いているし、そうしたことが受け入れの基礎になったと思う」と述べました。
そのうえで、北九州市の市民の間に反対意見があることについて、「北九州市民の皆さんに不安を抱かせることは、大変申し訳ないと思うし、石巻市としても科学的なデータに基づいて安全性を確認し、伝えていくことが必要だと思う」と述べ理解を求めました。

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