現場発:弁護士不祥事 遅れた対応
2012年06月01日
福岡県弁護士会所属の弁護士だった高橋浩文容疑者(51)による詐欺事件は被害額が約3億3000万円に上り、弁護士としては異例の巨額詐欺に発展した。高橋容疑者について多くの苦情が寄せられながら、被害拡大を止められなかった県弁護士会は「身内に甘いのでは」と厳しい批判にさらされているが、具体的な再発防止策を打ち出せずにいる。一方、弁護士の不祥事は全国的に増えており、構造的な問題とみる専門家もいる。【遠藤孝康】
5月23日、福岡市のホテルで開かれた県弁護士会の記者会見。古賀和孝会長の会長就任会見だったが質問は不祥事に集中した。「相次ぐ原因は」と問われた古賀会長はしばらく黙り込んだ後「弁護士としてのおごりでしょうね」と絞り出した。
福岡県内では昨年3月、北九州市の弁護士が男性の遺産約1945万円を横領したとして逮捕された。11月には別の弁護士が顧客の預かり金を着服したことが発覚。その後、約8100万円の負債を抱えて自己破産した。