【ワシントン時事】米原子力規制委員会(NRC)のヤツコ委員長は30日、上院歳出委員会エネルギー・水開発小委員会で、深刻な状況が続く福島第1原発に関して証言した。同委員長はこの中で、「現在のデータによると約20マイル(約32キロ)離れれば安全と判断できる」との認識を示した。
米政府が半径50マイル(約80キロ)圏内に在住する米国民に避難を勧告した16日時点では、日本政府は20キロ以内の住民に避難、20〜30キロ圏内の住民に屋内退避を指示していた。日米両政府の対応が大きく異なっていたことから、両国の避難勧告の範囲が適正かどうかが議論となっていた。
同委員長は、当時の限定的な情報からは「一段の状況悪化の恐れがある」と判断し、米政府に80キロ圏内からの避難を提言したと説明。判断は適正との認識を改めて強調した。
また、同委員長は公聴会終了後、記者団に対し、「日本政府から要請があれば情報、援助を提供していきたい」と述べ、引き続き全面支援していく姿勢を示した。(2011/03/31-01:54)
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