2010-03-08
■[カラダの話]呼吸は三段階で吐く?[セロトニン欠乏脳―キレる脳・鬱の脳をきたえ直す (生活人新書)/有田秀穂]
…ポイントを一つだけあげるならば、腹筋を絞るときに、肛門に力を入れると、下腹部中心の呼気ができます。
呼気の最後に肛門をギューッと収縮させると、次の吸気は下腹部を中心に膨らませる方向になります。
その理由は、私たち人間は横隔膜を腹側と背中側で別々にコントロールできるようにできているからです。
(中略)
肛門を締める努力をすれば、同時に、腸腰筋が収縮します。この腸腰筋は背中側の横隔膜に結合していますから、呼気の終わりに、背中側の横隔膜を引っ張ることになります。
『セロトニン欠乏脳―キレる脳・鬱の脳をきたえ直す (生活人新書)』より
以前、武道の師匠から教わった呼吸法があるのですが、このくだりを読んでを思い出しました。
肺の空気を吐ききったら、お腹を絞るように全て吐ききる。もう吐けないという状態で最後に一息“ふんっ”と鼻から息を出すといったものだったのですが、もしかしたら最後の一息は“肛門に力をいれた状態”だったのかもしれません。
当時は漠然と息を吐き出していたのですが、いろいろな書籍から胸郭や横隔膜、骨盤といった部位を意識することを学びました。
今思うと、師匠の呼吸法は、胸郭、横隔膜、肛門の三段階で息を吐ききるといったものだったではないだろうか。
一言に“呼吸”といっても、どういった身体意識や感覚で行うかで効果が変わる。教わったのに分かっていなかった…豚に真珠、猫に小判ということわざの意味を痛感しました。
セロトニン欠乏脳―キレる脳・鬱の脳をきたえ直す (生活人新書)
作者: 有田秀穂
発売日: 2003/12
キレる子どもや鬱の大人の脳では、セロトニン神経が衰弱し、脳内物質が欠乏している。不安や恐怖、興奮を適度に抑え、覚醒時のクールな意識(とらわれない心)を演出するセロトニン神経の不思議な働きを明らかにする。リズム運動できたえ、昼夜逆転した生活習慣を見直すことなどで、弱った脳と心に静かなパワーをとり戻す方法を、脳科学研究の最前線から提案する。
amazon.co.jp『セロトニン欠乏脳―キレる脳・鬱の脳をきたえ直す (生活人新書)』紹介文より