割引クーポンえさに個人情報1300件を収集、業者に販売

深刻な個人情報流出の実態

 個人情報が相次いで外部に漏れている。本人は全く知らないうちに、数多くの「普通の市民」の名前や住民登録番号、メールアドレス、携帯電話の番号などの個人情報があちこちに売られているのだ。市民たちは強圧的なマーケティングのターゲットになり、数々のスパムメールや、突然かかってくる勧誘電話に迷惑している。

 公正取引委員会(公取委)が19日に摘発した「ヨルシミ(一生懸命の意)コミュニケーションズ」が典型的なケースだ。この会社は3年間にわたり、1300万件もの個人情報を収集し、250億ウォン(約17億1400万円)の収入を得ていた、と公取委は発表した。公取委は同社が「個人情報を収集する目的を隠し、うその広告で消費者を引き込み、収集した個人情報を保険会社などに販売した」として「欺瞞(ぎまん)的かつ悪意に満ちた手法のため、個人情報の収集をめぐる案件としては初めて是正命令を下した」と発表した。また、放送通信委員会は同社に対し、2億300万ウォン(約1400万円)の課徴金を科した。

 公取委によると、同社は「Gマーケット」や「オークション」「11番街」などのオンライン・ショッピングモールに広告を掲載する権利を取得した後、3年間にわたり、利用者に1000-1万ウォン(約68-685円)の割引クーポンなどの景品を提供するマーケティングを展開した。景品を受け取るためには必ず個人情報を入力しなければならない。個人情報の収集が目的だったため、景品を一度受け取ったことのある人には景品が提供されなかった。また、購買力がある25-55歳の消費者だけに景品を提供した。「(景品を)百パーセント・プレゼント」という広告の文言自体がうそだったというわけだ。

 さらに、受け取った景品もほとんど使い道のないものだった。割引クーポンは5万ウォン(約3400円)以上の買い物をしたときだけに使うことができ、利用期間もわずか15日だった。この会社が昨年1年間に提供したクーポン74万5276枚のうち、実際に使用されたものは7025枚で、1%にも満たなかった。このような手法で集めた個人情報は1300万件に達した。東洋生命には1141万件の個人情報を1件当たり3000ウォン(約205円)で、ライナ生命には200万件の個人情報を、保険加入契約1件につき6万-7万ウォン(約4100-4800円)で販売した。

チャン・ウォンジュン記者
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