宝石のサイズ(付記)
テーマ:ブログ今回は、宝石のサイズは一般的な評価に大きく左右するから、そのことについて探偵の意見を書く。
ベースになる石としてビルマのルビーを取り上げてみようと思う。
私が日本人で注目している本物のビルマのルビーを取り扱う3人。
一人は諏訪貿易の諏訪恭一会長、もう一人はビルマとタイの国境に三十年もすみモゴックのルビーを手掛けているMOGOK LADYの人、3人目はモリスの森さん。
ルビーは産地が大切な石である。前二者はビルマのモゴックが中心、モリスはビルマのナヤンである。
場所はモゴックとはビルマの第2の都市、マンダレイの北東にあり、マンダレイの行政管区になる。
ナヤンはナヤ、ナムヤとか色々な名前があるが、ビルマの北部のカチン州で中国国境の近くにある。
前二者は古い宝石としてのルビー、赤く深く権威を感じるもの、別名ピジョンブラッドと最高とし、産地も古くからのモゴックにこだわっている。
後者は約10年前と参入時期がおそく、モゴックがほとんど枯れた状態だったため、ナヤンに注目したと思われる。
スタンスにおいて、はっきり違いが見られる。
前二者は狭義の商品価値、資産価値に重点的に着目し、赤くて大きいのを逸品としている。特にMogok Ladyの人は1ct未満は脇石でいいとさえいっている。
後者はルビーの歴史から赤の意味までかなり、広い範囲に興味をもち、小さいルビーでも大切に扱っている。
前二者の主な視点は貨幣交換性のある美的存在に対してのもの、後者はあたかも生き物や精神に対してのものなのである。
それではジュエリーとしてどちらが美しいか?
1ctを越える前二者のルビーと0.1ctの後者のルビーは全く同じく美しい。
勿論、後者も過去実績には8ctのオークションでも上位クラスを取り扱いされた実績もあり、小さいルビー専門店というものではない。
しかし、極論すれば、天然の無処理のルビーに関して言えば、大きさや赤さはあまり関係ないというのが実感だ。
人間にてらしてみて、180cm 60kgと168cm 50kgの人間のどちらが美しいかと言っているのと同じなのである。
別の例えをする。先日、京都府宇治市にある植物園に行ってきた。こでまりという花とおおでまりという花があった。
同じかたちの花でサイズは十倍くらい違うように見えた。
ところが、どちらも全く同じく美しかった。
こでまりは繊細、雪白、堂々とさき、おおでまりは純朴、バニラ色、普通にさいている。
おおでまりがこれ。
おおでまりに驕りや雑さはなく、こでまりには卑屈や造作の手抜きがない。
自然とはそういうものである。
確かに人間の権威や虚勢、財産形成のために宝石は存在して、市場が発展してきたのは事実である。
そのために大きな石を買えないが目立ちたい顧客、または大きな石では表現できない作り手の意向などの理由でパヴェセッティングなどが生まれた。
しかし、小さな石には一つとして、十分な配慮がはらわれなかった。
探偵はというと、赤くて腫れぼったい、えらそーなルビーよりもピンクまじりで小さくてもイキイキしていればそちらを選ぶ。
誤解のないように言っておくが、三者のビジネススタイルは全て正統派だし、諏訪会長とモリスルビーの森社長はお互いによいお付き合いをされている。
だから、大事なのは何が正かではなく、買い手が何をよしとし、何が欲しいかである。
探偵が大事にしていることは、そんなことではなく、天然の石にある生命、例えれば永遠に散らざる花を愛でるような印象を持てるかという感覚である。
最後に赤い花を3つ並べる。どちらが美しいか、どちらが価値ある赤かを見比べて欲しい。
意味?正解?それは読者の判断に委ねるものとする。
1 ■無題
コメントありがとうございます。
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